[特集]エッジコンピューティング最新案内製造業IoTを加速するEdgecross「FAとITの溝を埋める」

製造業はエッジコンピューティングが最も進んでいる業界と言えるだろう。FA(Factory Automation)とITを融合するための架け橋として、製造業IoTにおいてエッジは欠かせない存在になりつつある。

「製造業には、クラウドよりもエッジコンピューティングが馴染みやすい」

FAとITを協調させるオープンなエッジコンピューティングプラットフォーム「Edgecross」の実現を目指して2017年11月に設立されたEdgecrossコンソーシアム事務局長の徳永雅樹氏はそう語る。

エッジコンピューティングの利点としては、一次処理によるデータ量の削減やリアルタイム性の向上、またはローカル処理することでセキュリティを確保できるといった点が挙げられる。加えて製造業においては、クラウドと生産現場を結ぶネットワークが途切れても、エッジで処理を継続できる点も重要視される。

ITとFAが協働する新レイヤにさらに、そうした技術的な観点以上に、製造業とIT業界との間の溝を埋める意味においてエッジコンピューティングが果たす役割は大きいと同氏は指摘する。「“ITの人”には生産現場のことはよくわからない。どんなデータを集めて何をやるのかは現場の人たちが考えて実践する。エッジなら現場でハンドリングできるので、『まずエッジで処理する』のが製造業の流れになっている」という。

つまり、ITシステムとFAシステムの中間にオープンなエッジ基盤を設けることで、両者が相互理解を深めて協働するための新たな“レイヤ”を作るというわけだ。Edgecrossコンソーシアムはアドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事企業となって設立され(2018年2月に日立製作所も参加)、ソフトウェアベンダーや工作機械/産業用PC/機器メーカー、SIer、ユーザー企業等が会員として活動している。これら様々な企業が、Edgecrossを活用して製造業IoTの課題を解決するための取り組みを進めている。

月刊テレコミュニケーション2018年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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