ICT×未来

免許不要の5GHz帯をLTEに使う「LAA」のインパクト

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2016.02.25

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

免許不要の5GHz帯を携帯電話でも利用できるようにする 「LAA」――。周波数ひっ迫解消の切り札として期待されるこの新技術は、携帯電話事業者の事業モデルを大きく変える可能性も秘めている。

 

無線LANなどで使われている5GHz帯を携帯電話のシステムで利用できるようにする新技術「LAA(Licensed-Assisted Access using LTE)」への関心が、日本でも高まってきた。

NTTドコモは、2014年8月に北京でファーウェイとLAAの協同実験を行い5GHz帯でのLTE通信に成功したと発表した。2020年に商用化が計画されている5G(第5世代移動通信システム)の運用周波数を確保する手段としても注目されている。LAAはいつごろ実用化され、移動通信市場にどのような影響を与えるのか――。

LAAとLTE-Uで世界をカバー5GHz帯や2.4GHz帯などの周波数帯は、無線LANなどの機器が無線局免許を取得せずに利用できることから「アンライセンスバンド」と呼ばれている。LAAは、日本ではすでに携帯電話システムの主力となっているLTE/LTE-Advanced(以下LTEと表記)のスペックを、日本や欧州でアンライセンスバンドを使う機器に搭載が義務付けられている干渉回避技術の「LBT(Listen Before Talk)」などに対応させ、アンライセンスバンドで運用できるようにしようとするもの。携帯電話システムの標準化組織「3GPP」で2016年春に固まる次の技術仕様書「Release13」の一部として規格化される。

 

図表 LAAのイメージ
図表 LAAのイメージ

 

3GPPでは、(1)LAA単独でアンライセンスバンドを利用するのではなく、必ず2GHz帯などの携帯電話用周波数帯とのキャリアアグリゲーション(CA)を組んで運用し、通信制御などは携帯電話周波数帯側で行う、(2)無線LANになるだけ干渉を与えないようにLAAを小セル基地局で運用するなどの基本コンセプトを固めている。

実は、LTEでアンライセンスバンドを利用するための技術規格には、LAAの外にもう1つ、米クアルコムが主導するLTE-U(LTE-Unlicensed)があり、アルカテル・ルーセント、エリクソン、クアルコム、LG、サムスン、ベライゾンが参加する推進組織「LTE-Uフォーラム」が規格策定や商用化に向けた活動を行っている。

では、LAAとLTE-Uは、どのような関係にあるのか――。クアルコムの日本法人で標準化担当部長を務める城田雅一氏は、「欧州や日本ではアンライセンスバンドで帯域を共用するための技術規格が法律で厳格で規定されているが、北米などでは細かな規定はなく、既存のシステムと共存できることが実証できれば導入ができる。そこでLTE-Uフォーラムで北米などでの導入を想定した規格を作り、3GPPでの標準化を待たずに導入できるようにしようとしている」とLTE-Uの位置付けを説明する。

 

クアルコムジャパン 標準化担当部長 城田雅一氏
クアルコムジャパン 標準化担当部長 城田雅一氏


日本の5GHz帯用機器の技術基準は世界で最も厳しいとされ、4ミリ秒間送信したら一旦電波を止め、キャリアセンスを行ってから通信を再開するといった高度な制御が義務付けられている。LAAでは、これらの仕様に対応するためLTEの仕様の大幅な変更が必要になると見られる。これに対し、LTE-UではLTEに比較的に容易に実装できる別の技術(CSMA/CSAT)で無線LANなどとの共存を実現し、早期の商用化を目指しているのだ。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

saxa1906
NTTコムウェア1906
ciena1906

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】キャリアネットワークの
   メガトレンド
●5Gを4つのキーワードで解説 ●通信インフラは「共有」する  ●基地局は持ち運ぶ時代へ ●ネットワーク機器の機能分離が加速 ●ゲームチェンジの引き金を引くO-RAN ●5G網はSRv6で一筆書き

●[インタビュー] クアルコムジャパン 須永順子社長「5Gの1年前倒しに大きな意義。ローカル5Gを工場へ積極提案」 ●スマホ内線化で働き方を変える ●埼玉県飯能市が“IoT罠”で獣害対策 ●ネットワン「サブスク拡大」の理由 ●IoTを導入しない企業は5年以内に脱落? ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテルキャリア網もクラウドネイティブへ
5G革命を推進するインテル

インテルが5G時代の新NW実現に向けた取組みを加速させている。

エクストリームネットワークスWi-FiとIoTをAIが自動で管理
10万人のスタジアムに搭載

「Smart OmniEdge」がネットワークエッジのトラブルから解放する!

NTTコミュニケーションズeSIMを本格提供! 垂直統合で企業のIoT活用を支えるNTT Com

国内MVNO初のリモートプロビジョニング対応eSIMサービスも提供開始

サクサキャリア網の利用で高い通話品質
スマホ2台までお試し導入も!

サクサのビジネスホンなら、スマホ内線が途切れない! 使い勝手も◎!
NTTコムウェアスマホ内線で高い通話品質を実現!

交換機開発のノウハウを活かしたNTTコムウェアのクラウドPBXは、高い安定性や優れた通話品質が特徴

日本シエナコミュニケーションズ光伝送網の能力はもっと引き出せる
目指すは“どこでも400G”の世界

シエナが1波800Gbps伝送を可能にする新世代チップを発表した。

KCCS加速し続けるSigfoxの「今」
人口カバー率は94%を突破

グローバルでも年末には70カ国・1300万回線に拡大見込みだ。

専門人材が24/365で対応するMSS
最新鋭のSOCで途絶なく脅威を監視

次世代FWなどのセキュリティ機器は「設置しておしまい」ではない。

ケーエムケーワールド最大2.7Gbpsの次世代FW
100名以下の企業で採用が増加!

NISG3000は様々なセキュリティ対策が詰まったオールインワン型

ジュニパーネットワークス"クラウドが遅い"をSD-WANで解消
ブレイクアウトの課題とは?

クラウドの「体感品質」にフォーカスしたジュニパーのSD-WAN

シングテル海外拠点網“SD-WAN化”の注意点とは?

グローバルキャリアに聞く回線選びの重要性

ソニービズネットワークス“ひとり情シス”でも心配なし!
SD-WAN始めるならマネージド型で

SD-WAN導入に悩みを抱えるIT担当者に最適なマネージドSD-WAN

マクニカネットワークス高精度にアプリ識別可能なSD-WAN
速度も最大10倍以上に高速化

Silver PeakのSD-WANは「正確で速い」という強みを持つ。

ハカルプラス後付け簡単&低コスト! 5km飛ぶLoRa無線機で始める設備のIoT化

IoT導入時のハードルをぐっと下げる、ハカルプラスの「LoRa無線機」

アクセスランキング

tc1904
kaden
softbankworld2019

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます