キーパーソンが語る

シスコの次世代コラボ戦略「UCの次は“働く場そのものの仮想化”」

構成◎坪田弘樹(編集部) 2015.04.10

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シスコシステムズ 執行役員
コラボレーションアーキテクチャ事業
アーウィン・マッティ氏

「UCのフェーズは終わった」――。シスコシステムズ執行役員のアーウィン・マッティ氏はそう話す。次世代のコラボレーション環境を実現しようとするシスコの新たなビジョンと戦略について聞いた。


――ユニファイドコミュニケーション(UC)はすでに普及期に入りました。シスコは今後、コミュニケーション/コラボレーションの分野でユーザー企業に対してどのようなビジョンを提示していくのですか。

マッティ 「UC」という言葉で表現していた変革のフェーズは終わったと認識しています。我々がUCで提供しようとしていた最大のベネフィットはコスト削減でした。音声/ビデオ/データのネットワークを統合することでコストを圧縮しようというのがUCのビジョンだったのです。

そのフェーズが終わり、現在のシスコはオフィスそのものを変えることを目指しています。

モバイルとクラウドのテクノロジーを使えば、コミュニケーションはどこでもできる時代になりました。例えば、当社のサンノゼのオフィスでは「ava」というテレプレゼンス・ロボットが動き回っています。アイロボット社とシスコが共同開発したもので、例えば、私がどこにいてもavaが代わりに相手のいる場所に移動し、顔を見ながら会話ができます。また、将来的には有機ELのような技術を使って、オフィス内の壁に情報を映しだしてコミュニケーションツールを使うこともできるようになるでしょう。

UCの次の時代として、そうした未来のオフィスを実現していくことが我々のビジョンです。

 

「コラボレーションをシンプルに」

――最新的なテクノロジーを積極的に企業ICTに取り込んでいくということですか。

マッティ その通りです。今、企業のIT部門は大きな悩みに直面しています。企業のICTを革新する“ディスラプター(崩壊・混乱させる人)”の存在です。

10年前、会社には最新のICT環境がありましたが、ここ数年でコンシューマのほうが優れた環境になってしまいました。これを「会社のほうがすごい!」という状態に戻したいのです。

なぜ、その必要があるのか。企業で働く社員こそが、ディスラプターであるからです。特に若い世代は、自ら仕事に使いやすいデバイスとツールを持ち込んできます。彼らはそれを取り上げられると極端に生産性が損なわれるため、禁止されても使いますし、企業から与えられたものは使いません。

プライベートと同じようなツール/デバイスがないと仕事ができないという世代が増えています。そこでIT部門は、どうすれば生産性を向上させるツールを与えられるのか、試行錯誤しているのです。

――その悩みを解決するためにシスコは何をしていくのですか。

マッティ 我々の戦略は非常に簡単なものです。コラボレーションをいかにシンプルにするかを追求します。iPhoneは、説明書を読まなくてもすぐに使いこなせます。この戦略がヒットしたからこそ、誰もが手放さなくなったわけです。シスコも、企業のコラボレーション環境に同じようなシンプルさを取り入れます。

戦略の柱は3つあります。1つは、シンプルかつユーザーエクスペリエンスを重視したモノづくりです。UC/ビデオ端末やアプリを使いやすいものにして、さらに見栄えの良い、誰もが使ってみたくなる製品を作るのです。

2つ目はクラウドです。コラボレーションツールは実に複雑なものですから、導入するのもメンテナンスも難しく、これがユーザーの負担になっていました。その複雑性をシスコのクラウドに吸収してしまおうとしています。

そして3つ目に、このクラウドとお客様の既存資産を融合させます。これまで投資してきた資産も有効活用できるようにするのです。

 

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