LTE-Advancedも始まっている韓国モバイル最新事情

韓国のスマートフォン普及率は70%以上――。普及率約30%の日本と比べ、さらに先を行く韓国のモバイル環境について、ソウル在住の筆者がレポートする。

1.韓国キャリアの通信品質

韓国に携帯電話キャリアは3社あり、いずれも3G/LTEにてサービスを提供している。さらに昨年からは、SKTとLG U+の2社がLTE-Advanced(通称LTE-A)の提供を開始している。複数の帯域の周波数を束ねて広帯域化を図るキャリアアグリゲーション技術により、下り150Mbps/上り50Mbps(理論値)の高速通信を可能にしている。

また、KTも「Broadband LTE-A」という、下り150Mbpsのサービスを始めている。ただし、このBroadband LTE-Aは、実はLTE-Aではなく、単なるLTEのサービスだ。キャリアアグリゲーションを用いず、連続する20MHz幅の帯域を利用して150Mbpsを実現している。マーケティング上の理由から、LTE-Aという名称を用いているのだろう。

私は普段SKTを利用しているが、使っているデバイスはLTE-Aに対応していない。しかしながら、街中でスピードテストを行うと、平均して下り40Mbps/上り20Mbpsほどで安定的に通信できる。

ソウル市の江南駅付近でのLTEスピードテストの結果
ソウル市の江南駅付近でのLTEスピードテストの結果。時間帯によっては、下り70Mbpsに達することもある。使用アプリはSpeedtest.net by Ookla(以下同様)

カバレッジについても、郊外を除けば、ほとんどのエリアでLTEが利用可能だ。私はソウル市内に住んでいるが、地下鉄でもLTEで快適に通信できる。

2.韓国のWi-Fi環境

そんな韓国においても、オフロード対策はしっかり進んでいる。日本と同じく韓国でも、キャリアは自社の加入者向けに公衆無線LANサービスを提供している。また、キャリアの提供するサービス以外にも、カフェやファーストフード、ショッピングモール、百貨店など多くの場所でWi-Fiが利用できる。ソウル市のような自治体が提供するものなど、無料で利用できるサービスもいくつかある。

ただし、これらのWi-Fiは、場所や時間によってはつながりにくい場合や、十分な通信速度がでない場合がある。カフェ等の小規模スペースであれば下り10~20Mbps程度の安定した通信速度を確保できるが、自治体が提供するフリーWi-Fiなどは1~2Mbpsしか出なかったり、わずかな移動で通信が切断されてしまう等の問題がある。

韓国では、キャリアや自治体などが様々な場所で公衆無線LANサービスを提供している
韓国では、キャリアや自治体などが様々な場所で公衆無線LANサービスを提供している

また、フリーのWi-Fiサービスは大抵パスワード等によるセキュリティ設定がされていないため、利用する場合には注意が必要だ(キャリア提供のWi-Fiは、パスワードもしくはMAC認証によりセキュリティを確保している)。

フリーの公衆無線LANサービスの通信速度をテストしてみた結果
フリーの公衆無線LANサービスの通信速度をテストしてみた結果。利用するサービスによってスループットは大きく異なっている

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