キーパーソンが語る

NTTBP小林社長「“第3のアクセス”無線LANで新市場開拓」

聞き手◎土谷宜弘(月刊テレコミュニケーション編集長) 2013.05.27

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NTTブロードバンドプラットフォーム
代表取締役社長 小林忠男氏

NTTグループの無線LAN事業の中軸としてWi-Fiネットワークの構築を一手に担ってきたNTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)は、固定でも携帯でもない「第3のアクセス」という位置づけで、戦略的役割を果たすことになった。創成期から礎を築いてきた小林忠男社長に事業戦略を聞いた。

――無線LAN(Wi-Fi)は長年、通信業界では補助的な位置づけでしたが、スマートフォン時代を迎えて急速に存在感が高まっています。

小林 当社は設立から今年で11年になります。その間、無線LANは機器に組み込む通信チップが安価で、しかもライセンスが不要ということもあり、ゲーム機や音楽プレイヤー、デジカメなどさまざまな機器への搭載が進んできました。しかし、携帯電話とは異なり基地局から電波が届く距離が短く、特定の場所におけるデータ通信トラフィックの“バイパス”としての役割にとどまっていました。

ところが、この数年間でスマートフォンの普及が急速に進んだことに伴い、通信キャリアのデータ通信ネットワークの容量が逼迫する事態が発生した結果、通信キャリアはスマートフォンに標準で搭載されているWi-Fi機能に着目し、データ通信トラフィックのWi-Fi網へのオフロードを進めています。それに合わせて当社の無線LANアクセスポイント(AP)は昨年3月時点の約1万から、今年3月には約12万と、1年間で12倍に増えました。まさにスマートフォンブームのおかげです。


NTTブロードバンドプラットフォーム 代表取締役社長 小林忠男氏


――通信キャリア各社がAPの設置を進めており、KDDIは20万カ所、ソフトバンクモバイルグループは40万カ所になります。

小林 自社のWi-Fi提供能力を訴求する際にはAPの数を訴求する競争になりがちですが、お客様が使いたいところで使えることを重視すれば、本当に重要なのは、AP数と利用可能者数(1つのAPを1日当たり何人が利用するか)の掛け算で導き出される「無線LANスポットリーチ数」を指標とすることだと思います。この指標が最大となるようにAPを設置することは、お客様の生活動線上にWi-Fiエリアを拡大することになります。

当社が無線LANでのネット接続事業を開始した当初、大手通信キャリアの間では「無線LANビジネスなんかやるものではない」との見方もありましたが、彼らが見向きもしなかったからこそ、我々は人が多く集まるところに最初にAPを設置することができました。今では、大規模施設としては都市圏の駅、全国の空港、大手ホテル、大規模オフィスビルをほぼ網羅しています。

また、ピンポイントの施設として、カフェやコンビニエンスストア、ドコモショップなども幅広くカバーしています。それらを合わせると、無線LANスポットにリーチできる端末数は約1億端末超になる計算です。これは大きな価値があると思っています。

 

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著者プロフィール

小林忠男(こばやし・ただお)氏

1973年3月早稲田大学理工学部電気通信学科卒業、同年4月日本電信電話公社入社。86年2月名古屋支社副支社長。88年8月技術企画本部担当部長グランドデザイン担当。90年~98年6月PHSの開発、事業化に従事。98年7月NTTワイヤレスシステム研究所所長。2000年3月NTT東日本企画部Rサービスプロジェクト担当部長。02年7月NTTブロードバンドプラットフォーム代表取締役社長に就任(現職)

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