NTTドコモは2012年5月11日、加藤薫取締役常務執行役員が社長に昇格する人事を発表した。山田隆持社長は取締役相談役に就任する。6月19日の定時株主総会で正式に決定する。
加藤氏は「スピードとチャレンジ」をモットーに、「魅力的で使いやすい端末とサービスで、(ドコモが中期ビジョンで掲げる)スマートライフの実現に全力で取り組みたい」と意気込みを語った。
そのための指針として、具体的に①スマートフォン時代におけるモバイルサービスの進化、②総合サービス企業への進化の加速、③新たな挑戦を支える基盤の強化、コスト構造の改革の実施、新領域への挑戦に向けた人材育成を挙げた。
また、「七分(しちぶ)でよしとせよ」という言葉を引き合いに出し、「完璧を求めて時間がなくなるより、例えばサービスならお客様に育ててもらう側面があってもいいのではないか。仮に失敗したら、できるだけ早くやり直せばいい」との考えを示した。
08年に就任した山田社長は4年間を振り返り、力を入れたこととして、①変革とチャレンジの取り組みによるお客様満足度の向上、②スマートフォンの推進とネットワークのインテリジェント化、③総合サービス企業への進化に向けた取り組み、④安心・安全の提供を挙げた。
このうち変革とチャレンジの取り組みによるお客様満足度の向上では、山田社長は「現場原点主義」をモットーに在任中にドコモショップや支店など計450カ所以上を回った。その結果、「お客様満足度の向上を徹底する意識が現場に浸透していると確信できたことが何よりも嬉しかった」と語った。
なお、iPhoneの発売の可能性についての質問に対し、加藤氏は「現段階ではなかなか導入が難しい。一部報道にある通り、いろいろな条件があり、それが我々の考えと少し合わないところがある」と述べた。