「サイバー攻撃から復旧できる自信がない」が約7割、デル調査で読み解くデータ保護の現状とは?

日々増大するデータをいかに安全に保護するかは、企業にとって大きな課題だ。デル・テクノロジーズが実施した最新の調査では、7割近い企業が自社のデータ保護環境に不安を抱える現状が浮き彫りになった。目立つのは、日本企業の「自信のなさ」。DX推進でデータの価値が増大するなか、早急な対策が求められる。

システム障害やサイバー攻撃によってデータにアクセスできなくなる、あるいはデータを損失するといった被害は決して珍しいものではない。

デル・テクノロジーズが2年おきに実施している調査「グローバルデータ保護インデックス(GDPI)」の最新版(米Vanson Bourneへの委託により、2021年2~4月に実施)では、過去12カ月にデータロスやダウンタイムを経験した企業の割合は、グローバルで76%、日本企業では78%に上った。前回調査と比べて12%(日本)も上昇しており、76%の企業が今後12カ月でさらなるインシデントの発生を懸念しているという。

GDPIの概要、調査対象・目的など
GDPIの概要、調査対象・目的など

なお、同調査は15カ国で実施され、250人以上の従業員を抱える一般企業および公的機関のIT意思決定者1000人にヒアリングしたものだ。

障害原因ランキングの上位に3つの変化
このダウンタイム/データロスを引き起こした原因は何か。デル・テクノロジーズが2021年9月22日に開催した説明会で、DPS事業本部 本部長の芳澤邦彦氏は、2018年までの調査とは異なる3つのポイントを指摘した。

デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長の芳澤邦彦氏
デル・テクノロジーズ DPS事業本部 本部長の芳澤邦彦氏

1つは、原因の1位が初めて入れ替わったことだ。ハードウェア障害(38%)をソフトウェアエラー(41%)が上回った。「データ保護環境が、ソフトウェアデファインドな仮想化基盤へと移行していることが理由と考えられる」(芳澤氏)。

2つめは、「外部からのセキュリティー侵害」が大幅に増加したこと。2018年調査時の23%から34%へと急増した。

3つめは、これまではランキングの上位になかった「サービス/クラウドプロバイダーのエラー」が5位に急上昇したことだ(21%)。最近、大手IaaS/SaaSベンダーのアクセス障害が頻発していることが背景にあると見られる。

ダウンタイム/データロスの原因と影響
ダウンタイム/データロスの原因と影響

もう1つ、日本企業に関して気になるデータがある。「最重要なアプリケーションでシステムダウンが発生した際の平均復旧時間」が、グローバルでは6時間だったのに対して、日本企業は10時間と大幅に長い。「(重大なインシデントからの)復旧が、その日のうちにできていないことが明らかになった」と芳澤氏。あらゆる産業でデジタル化が進み、データの価値が増大しているなか「日本として手立てを考えていく必要がある」と指摘した。

こうした現状を受けて、企業は自社のデータ保護環境に対してどのような懸念を抱え、また対策していこうとしているのか。

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