日本でもSD-WANを本格的に導入を検討する企業が増えてきている。Juniper Virtual Summit for Japanでは、「いままでのSD-WANとこれからのSD-WAN」と題して技術統括本部の渡邊貴之氏が講演し、その中で「今年度、SD-WANの検証、導入を計画している企業が非常に多かった」と振り返った。
2020年はコロナ禍によってネットワークの使い方やWANに求められる要件も大きく変わった。テレワークが広がりオフィスで働く人数が減少する一方、在宅勤務で生じるトラフィックが増加した。今後オフィスの統廃合が進めば、それもWANに大きく影響するといわれる。
一方で、SD-WANそのものもユーザーの多様なニーズに応えるかたちで進化している。その進化の方向性として渡邊氏は、北米のユーザー団体であるONUG(Open Networking User Group)が発表した「SD-WAN 2.0」を紹介した。同氏によれば、「企業ネットワークの道標になるようなものを定義」しており、「ベンダーはこれに基づいて機能開発をしていこうとしている」という。
SD-WAN 2.0の特徴とイメージ
SD-WAN 2.0とは何か
SD-WAN 2.0とはどのようなものなのか。渡邊氏は従来のSD-WANとの違いについて、上図の通り5つのポイントを紹介した。
「最も特徴的」と話すのが、1つめのCPE(宅内通信装置)の部分だ。各種セキュリティ機能やWAN高速化等の機能を拠点に導入する場合、これまでは機能ごとに異なるハードウェアを導入するのが一般的だったが、今後は共通ハードウェア上で仮想化ネットワーク機能(VNF)を動かすuCPE(ユニバーサルCPE)への入れ替えが進むという。
また、クラウドと接続するためのゲートウェイ機能やセキュリティ機能、コントローラー機能も拡充される。そして、在宅勤務やモバイルワークなど、CPEを使わない環境で業務を行うユーザーのサポートもSD-WAN 2.0の重要な要素になると渡邊氏は指摘した。