レッドハットは2019年4月24日、新年度事業戦略説明会を開催した。2018年3月から2019年2月末までの業績を発表した。
「非常にいい年だった」。レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏は、前年比で売上が16%成長したグローバルでの業績を引き合いに出し、「日本市場もほぼ同じ割合で成長した」と説明した。
望月氏は好調の理由について、「愚直な努力を重ねてきた。ただ、それは他の企業も同じだと思う。(レッドハットが)ユニークな点は、カルチャーだ。オープンソースを活用し、組織や企業の枠を超えて協力し合う文化が大きな貢献をしている。この方針は今後も加速させる」と述べた。
レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏 |
レッドハットが2019年度、特に成長した分野は3つある。1つは「OpenStack」関連。OpenStackはIaaS環境を構築するためのオープンソースソフトウェアだが、「テレコム業界でPoCが進み、NFVや5Gの基盤として採用された。結果として前年の2.3倍という非常に速いスピードで成長した」と望月氏は話した。
2つめはレッドハットが提供する企業向けのコンテナプラットフォーム「OpenShift」。OpenShiftを活用したアプリケーション開発が主に金融機関を相手に増加し、パートナーと協力したマネージドサービスの提供も加速した結果、前年比3.2倍の成長に繋がったという。3つめが構成管理ツールのAnsible。望月氏は「仮想化の自動管理とネットワーク管理など、Ansibleは非常に堅調で、前年の3.4倍成長した」と説明した
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昨年の業績ハイライト |
Ansibleを活用して運用を効率化した会社として、望月氏はソフトバンクを紹介。「ソフトバンクは大手のキャリアということもあり、800を超えるセグメントにロードバランサを配備している。ロードバランサのSSL証明書の更新には1セグメント最大2時間かかっていたが、Ansibleを活用することで、わずか20秒で更新できるようになった。個人のノウハウを全社でシェアした事例であり、今後もこういう事例をどんどん増やしていきたい」と語った。
Ansibleを活用したソフトバンク |