携帯電話ネットワークのテストなどを行う施設「楽天クラウドイノベーションラボ」を設立し、報道陣に公開した。
今年10月にサービスを開始する携帯キャリア事業では、無線アクセスネットワーク(RAN)からコアネットワークまでが完全に仮想化され、ネットワークとサービスオペレーション双方がエンドツーエンドで自動化したクラウドネイティブネットワークを構築する。発表会に登壇した楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「完全ソフトウェア化された新しいサービスの開発から実験、実装、商用化をスムーズにするため設立した」と語った。
楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏 |
楽天クラウドイノベーションラボは、エンドツーエンドの完全仮想化クラウドネットワークを再現している。小規模なソフトウェア単位で、短期間で自動的に試験を繰り返す手法の採用により、試験期間の短縮とコストの低減を実現する。
また、新サービスを展開した際に起きる通信ネットワークの不具合を低減し、安定したサービスの継続的な提供が可能になる。
さらに、楽天モバイルネットワークCTOのタレック・アミン氏は、仮想化・自動化の利点について「ベンダーのラボと直結し、複数のベンダー間で平行して自動的にテストが行える」と説明した。
同ラボは、インドのTech Mahindra(テックマヒンドラ)とシスコシステムズの協力で設立された。このうちシスコとのパートナーシップにより、開発拠点の場所に関係なく、できあがったソフトウェアコンポーネントから随時テストを行い、導入することが可能だという。