国立情報学研究所(NII)は2018年12月20日、学術情報ネットワーク「SINET5(Science Information NETwork 5)」と通信事業者のモバイル網を直結した新サービス、「SINET『広域データ収集基盤』」の実証実験を開始すると発表した。実証期間は12月21日から、2020年3月末までを予定している。
SINETとは国内の大学や研究機関、および共同研究を行う企業などのみが利用できる、インターネットとは分離されたネットワーク。現在は2016年4月から運用されているSINET5のことを指す。100 Gbpsで通信可能であり、大量のデータ処理が必要なスパコンを用いた研究開発などでも利用されている。
ただし、有線で接続する必要があり、一部の地方や海上などではSINETを利用できなかった。そこで、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯キャリア3社がそれぞれのネットワーク内でL2VPNにより暗号化した、専用の仮想閉域ネットワークを提供する。
この仮想閉域ネットワークがSINETと接続しており、ユーザーは各社が提供する専用のSIMを機器に組み込むことで、3G、4G/LTE回線を利用して大学やクラウドと研究データをやり取りすることが可能になる。今後はLPWAや5Gでの提供も検討しているという。
SINET「広域データ収集基盤」のイメージ |