NTTドコモが2019年度に2~4割値下げへ――非通信事業を強化

NTTドコモが2019年度第1四半期に2~4割の値下げを行うことを発表した。年間で最大4000億円の顧客還元となる見込み。2019年度には楽天が携帯電話事業への参入を予定しており、新料金プランで競争力の強化を図る。

NTTドコモは2018年10月31日、第2四半期決算説明会を開催。「会員を軸とした事業運営への変革」と「5Gの導入とビジネスの創出」に舵を切り、2020年代の持続的成長につなげる中期経営戦略も発表した。

NTTドコモの吉澤和弘社長

その実現に向けた骨子となるのが、①顧客基盤をベースとした収益機会の創出、②5Gによる成長、③お客さま還元の実施とお客さま接点の進化の3点だ。

このうち③については、利用状況にもよるが、現行から2~4割程度の値下げとなる低廉な料金プランを2019年度第1四半期に提供開始する。

利用状況にもよるが、2~4割程度の値下げを行う

ドコモが独自に実施した調査によると、同社の料金プランが「分かりやすい」というユーザーは23%にとどまり、「そう思わない」との回答が48%に上った。また、「もっとシンプルにして欲しい」「お得感が感じられない」といった声が寄せられたという。

約5割のユーザーが「料金プランが分かりにくい」と感じている

吉澤和弘社長は「パケ・ホーダイ、パケあえるを開始したのは4年半前。いろいろなものを継ぎ足してきたこともあり、複雑で分かりにくくなっている。シンプルで分かりやすい料金プランに大胆な見直しを行う」と述べた。2019年には、楽天が携帯電話事業に参入を予定している。「新規参入で競争環境が変化するので、それに先んじて競争力を強化する」(吉澤社長)との狙いもある。

詳細については19年度第1四半期に発表するが、端末代金と通信料金を分け、端末購入補助をなくす代わりに毎月の料金を安くする「分離プラン」を拡充すると見られる。新たな料金プランの提供による顧客還元は年間で最大4000億円規模となる。これにより2019年度はいったん減益を見込むが、①や②でカバーする方針だ。

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