「リーダーとして日本に戻ってこられて光栄」――。
説明会の冒頭、デイヴ・ウェスト氏はアジアそして日本への愛着を語るところから始めた。
シスコシステムズ 代表執行役員社長 デイヴ・ウェスト氏
同氏はCisco Systemsに18年在籍。SEからキャリアをスタートし、エンタープライズ ネットワーク事業のワールドワイドセールス統括、アジア パシフィック アンド ジャパン地域の最高技術責任者(CTO)などを歴任した。「アジアでセールスリードも務め、日本市場のニーズをつかむことにも力を注いだ」と話した。
前社長の鈴木みゆき氏が率いた2018年度の実績については、「すばらしい成功。9四半期連続で成長を続けている」と述べた。鈴木氏が掲げた(1)日本のデジタル変革を支援、(2)次世代プラットフォームの構築、(3)日本市場により根ざした事業展開、の3つの事業戦略のいずれもで大きな成果を上げたことを強調した。
2018年度の事業ハイライト
(1)については、製造業向けのIoTソリューションや、京都市などと進めるスマートシティ実証事業などの実績を紹介。(2)の「次世代プラットフォーム」については、ソフトウェアを軸としたアプローチによってネットワークの複雑性を解消する“インテント ベース ネットワーキング”の大規模案件獲得と、リカーリングビジネスの成長を実績として挙げた。
(3)の日本に根ざした事業展開についても、中堅中小企業市場において継続的な成長を続けており、また、オリンピックに向けてスポーツ&エンターテイメント分野にも注力している。ウェスト氏はこれらの成果を、前社長の鈴木氏およびジャパンチームの功績と強調した。
デジタル変革の核はセキュリティ
2019年度の事業方針については「お客様との共創」を加速させる考えを示した。顧客企業のデジタルトランスフォーメーション、社会イノベーションを加速させる「セキュアでインテリジェントなプラットフォーム」の実現を目指す。
デジタル変革を実現するプラットフォーム
このプラットフォームが備えるべき要素として挙げたのが上画像に示した5つ。特に強調したのが、セキュリティの重要性だ。「すべての基盤となるのがセキュリティ。シスコが開発・提供するあらゆる製品にセキュリティを組み込んでおり、さらに、そのパッケージングからサプライチェーンに至るまですべてセキュリティ(の仕組みを)オーバーレイさせる」と話した。
製品を提供するだけでなく、セキュリティ人材を育成するために2017年に創設した「サイバーセキュリティ スカラシップ プログラム」にもさらに注力するとした。
このデジタル変革を支える基盤づくりを通して「お客様の戦略パートナーになりたい」というウェスト氏。2018年度の事業戦略を踏襲しつつ、パートナーとのエコシステムを拡大し、さらなる成長を目指す。