総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)は、2010年4月27日に開催した「過去の競争政策のレビュー部会」(第1部会)、「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(第2部会)の合同会合で、「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ」を設置する方針を示した。
2015年頃をめどに、全4900万世帯でブロードバンドサービスの利用を実現するという「光の道」構想の実現には、光ファイバーを中心とする固定ブロードバンドだけではなく、ワイヤレスブロードバンドについての議論も必要との意見が出ており、この日の会合でも第1部会の勝間和代構成員から「将来的にはワイヤレスの活用は増えるので、ワイヤレスについてもスピードなどの数値目標などが必要ではないか」という指摘があった。だが、「2015年時点では周波数をどれだけ空けられるかなどの課題が多く、光の道構想への大きな寄与は難しい」(第1部会の相田仁座長代理)という。
これを受けて第2部会の山内弘隆座長は、「その問題も考えないといけないということで、ワーキンググループ(WG)を立ち上げて検討することにした」と語った。具体的には、「世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境の実現」を目標に、携帯電話等のモバイルブロードバンドの利用状況や標準化など国際的な動向を踏まえ、ワイヤレスブロードバンド向け周波数確保のための方策を検討する。
同WGは、第2部会の下に設置し、徳田英幸座長代理が主査を務める。5月に第1回会合を開催し、7月をめどに取りまとめを行う。