コニカミノルタジャパンは、複合機などを手がけるコニカミノルタの販売会社で、従業員数は約3600名。2013年に「働き方変革プロジェクト」を発足させ、働き方変革への取り組みを本格化させた。講演を行った経営企画本部 事業戦略統括部 ソリューション企画部 グループリーダーの牧野陽一氏は、プロジェクトの中心メンバーの1人だ。
牧野氏は、コニカミノルタジャパン(以下コニカミノルタ)の働き方変革の取り組みを3つに分けて説明した。
コニカミノルタジャパン 経営企画本部 事業戦略統括部
ソリューション企画部 グループリーダー 牧野陽一氏
1つめは、「働き方変革を目指したオフィスの実現」――。2014年に東京・日本橋から浜松町へ本社オフィスを移転したのを機に実施した社内環境整備である。
フリーアドレスが導入された新オフィスは、部屋全体を見渡せるオープンなレイアウト。牧野氏はオフィスの写真を示し、「机が一見乱雑に配置されているように見えるが、これは“人がぶつかることでコミュニケーションが生まれる”というコンセプトから、デザイナーが意図的に行ったもの」と説明した。
また、新オフィスはフロア全域を無線LAN化しているほか、オフィス移転にあわせて社内SNSやクラウドストレージなどのICTツールも新規導入した。
新しい本社オフィスの特徴
牧野氏によれば、効率的なスペース活用により、引っ越しやインフラ整備にかかった費用を勘案しても、大きなコスト削減を実現できたという。「フリーアドレス化によって、座席数を30%削減することができた。収納庫数も60%削減して、会議室などのコミュニケーションスペースを増やしつつ、オフィスの総スペースを25%減少させることができた」
さらに社内アンケートの結果からは、社員の働きがい・満足度が向上したことも分かっている。
紙の利便性を活かしつつ電子化を推進2つめは、「紙にしばられない働き方の実現」である。コニカミノルタの働き方変革の大きな特徴といえるものだが、いったんは大幅に削減された紙文書量の“リバウンド”という困難を乗り越えての成功だった。