シスコシステムズと日本IBMは2017年9月29日、フジテレビジョンの基幹ネットワーク刷新を支援したことを発表した。同年6月30日から稼働を開始しており、フジテレビ社員等が利用する約5000台の端末をサポートする、動的なユーザーベースの通信制御・運用を実現した。
新基幹ネットワークでは、シスコの「Cisco TrustSec」テクノロジーを活用。TrustSecとは動的にロールベースのポリシーを適用する技術で、これにより、従来のIPアドレスに基づいた静的な通信制御ではなく、ユーザー属性に基づいた動的な通信制御を可能にした。社内のどこからでも一貫したポリシーに基づいて社内ITシステムを利用できるようになり、社員の利便性や業務効率化が向上したという。
また、ネットワークの管理ポリシーが一元化されるため、セキュリティー運用を強化したり、運用管理の負荷を軽減し、同時に、将来のクラウド活用に向けたネットワークの最適化が可能になるとしている。
フジテレビは今後、通信データの振る舞い分析から感染端末を検出・特定するNetwork as a Sensor (NaaS:センサーとして機能するネットワーク)や、怪しい振る舞いを即時に自動制御・隔離可能なNetwork as an Enforcer (NaaE:エンフォーサーとして機能するネットワーク)の導入も予定しており、さらに一歩進んだ「見える化」の実現と未知の脅威に対する体制強化を図るという。