「今年3月から商用提供を開始した。試用版ではない」とクアルコムのブース担当者が説明するのは、同社が提供するモデム「MDM9206」だ。
クアルコムの「MDM9206」をベースにした通信モジュール |
MDM9206の特徴は、LTE版LPWAの「NB-IoT(Cat-NB1)」と「カテゴリーM1(Cat-M1/eMTC)」の両方に対応しており(正確にはMDM9206は2G/GSMの「E-GPRS」にも対応しているが日本ではGSMは使えない)、利用するネットワークを「マルチモード」でダイナミックに切り替えられる点にある。
日本での商用化が期待されているNB-IoTとカテゴリーM1だが、それぞれの性能は少し異なる。そして、クアルコムは両者の性能に基づく特徴とそれぞれに適したユースケースを次のように整理している。
NB-IoTとカテゴリーM1(スライドでは「eMTC」と記載)の特徴とユースケース |
NB-IoTのユースケースは、電力モニタリング、環境モニタリング、パーキングメーター管理、スマートビルディングのセンサーなど。
それに対して、NB-IoTより高信頼・低遅延・ハンドオーバー性能に優れるCat-M1は、ビルのセキュリティ管理、緊急通報・高齢者の見守り、アセットトラッキング、ウェアラブルデバイス、重要インフラの管理に適しているといった具合だ。