KDDIが今回実施した5Gの実証実験は、東京・飯田橋近辺の一般道路、高速道路などで実際に試験車両を走行させて行ったもの。
電波が遠くまで届きにくい28GHz帯では、ビームの幅を絞って通信距離を延伸する「ビームフォーミング」の利用が想定されているが、この場合、デバイスの位置を正確に補足して基地局を切り替えるハンドオーバーの実現が課題となる。
5Gの実証実験に用いられた試験車両 |
実験は、この問題に対応しているサムスン電子の28GHz帯の試験システムを用いて行われ、「ラボや実験環境ではなく市街地で実際にハンドオーバーができることを確認した」という。最大スループットは3.7Gbps超を記録した。
28GHz帯で3.7Gbpsを超えるスループットを実現した |
説明を行ったKDDI 技術開発本部 シニアディレクターの松永彰氏は、5Gの実用化に向けてKDDIが注力している技術分野として、(1)高速・大容量化を実現するための「高い周波数の利用」、(2)低遅延化を可能にする「エッジコンピューティング」、(3)多接続など多様な性能を実現する「ネットワーク・スライス」を挙げ、今回の実験は(1)の具体化になるとした。今年4月にはKDDI新宿ビルで次のステップとなる5Gの公開デモを行う計画だ。