IDC Japanは2017年2月6日、国内産業用ネットワーク機器市場に関する調査結果を初めて発表した。製造業を中心に産業用IoTに注目が集まる中、その基盤である産業用ネットワーク機器に対する需要も高まっているという。
産業用ネットワーク機器市場は大きく分けると、ヒルシュマンやMoxaなどの産業用ネットワーク機器専業ベンダー、ロックウェル・オートメーションなどの産業用制御装置ベンダー、そしてシスコシステムズに代表される一般用企業向けネットワーク機器も提供するベンダーによって構成されている。
今回調査したベンダーは、前年比1.5~2倍程度でビジネスが拡大しており、現在の市場規模はまだ大きくないものの、成長著しい領域と捉えられ、これから需要が本格化するという。
また、産業用機器向けのネットワーク接続技術の移行も今後進展すると見られ、「伝統的なフィールドバス技術からイーサネット/IPネットワークへの移行、あるいは固定から無線技術活用へのシフト、LPWA(Low Power Wide Area)を含む無線技術の次世代化/5Gの活用へと向かう」とIDC Japanは予測している。
IoT機器のネットワーク接続技術 |
こうしたなか、産業ネットワーク機器ベンダーに求められるのは、ITネットワークとの効率的な統合と分離の実現や、無線と固定ネットワークの統合管理といった課題への対応とのこと。
IDC Japanの草野賢一氏は、産業用ネットワーク機器ベンダーは「すでに実績のあるITネットワークの技術を有効活用して、産業用ネットワークの高度化、効率化を進めるべきである。セキュリティに関しては、早急にITネットワークレベルに引き上げるべきである。最近は、対策が施されていない脆弱なIoTデバイスがターゲットになってきていることもあり、対策は急を要する」としている。