「LPWAの登場を機に、2017年はスマートシティ元年になる。今までのスマートシティとは全く違う、新しい街づくりが始まる」――。
こう語るのは、日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門の融合戦略グループ長で主席研究員の東博暢氏だ。同氏は、総務省のICT街づくり推進会議スマートシティ検討ワーキンググループの構成員でもある。
現在、日本では、2020年に向けた都市の再開発が進んでいる。また、老朽化したビルや公共インフラの建て直しなども活発化している。
これと同じタイミングで、日本に本格上陸するのがLPWAだ。低コスト、低消費電力、広域通信が特徴のIoT向け無線ネットワークであるLPWA(Low Power Wide Area)は、スマートシティ開発にも欠かせない技術となる。
これまでのスマートシティは、ゼネコンが設計した街の上に、ICTを後付けするものだった。しかしこれからのスマートシティは、「既存のネットワークも含め、適材適所でICTを使えるように、都市設計の初期段階からネットワーク設計を入れ込むことが求められる」と東氏は指摘する。