――通信事業者が現在置かれている状況をどう捉えていますか。
ゴティエン ブラジルの大手通信事業者オイが、今年6月に倒産しました。これは一例に過ぎませんが、通信事業者は現在、グローバルで深刻な危機に直面しています。日本も例外ではありません。
これまでと同じビジネスを踏襲しているだけでは、衰退してしまうのは目に見えています。
――深刻な危機をもたらしている要因は、何にあると考えていますか。
ゴティエン 大きな要因は、フェイスブックやグーグル、ワッツアップ(WhatsApp)をはじめとするOTT(Over-The-Top)プレイヤーが台頭してきたことです(図表1)。
図表1 通信業界が晒されている脅威 |
ワッツアップのプラットフォームでは、1日に1億件もの音声通話がやり取りされています。インターネット回線を利用して、音声通話・テキストメッセージ・動画コンテンツといったサービスを提供するOTTは、通信事業者にとって大きな脅威です。
彼らとの競争はこれからさらに厳しくなるはずです。通信事業者は、新しい収入源を探さなければ成長するのが難しいでしょう。
今後、通信事業者が成功するため唯一の方法は、従来からの伝統的なビジネスから抜け出し、新しいアイデンティティを取り込んでいくことです。新しい生き方を模索し、新しいビジネスモデルを見出す必要があります。