富士通は国内に70拠点のデータセンター(DC)を持ち、約1000社の顧客企業に対してホスティングやハウジング、IaaS/PaaS等のクラウドサービスを提供している。同社は現在、これら複数のDC/クラウドをつなぐ共通のネットワーク基盤の構築を進めている。
背景にあるのは、顧客企業の利用形態の変化だ。以前はDCごとに顧客企業のシステムを個別に構築・運用する形態が主だったが、近年は、それらのシステムをクラウドに移行したり、複数のDC/クラウドを接続して用いるハイブリッド型の運用も増えた。そのため、複数のDC/クラウドを1つのプラットフォームとして提供できる環境を実現しようというのがその目的である。
「場所の制約」を解消クラウドへの移行や、複数のDC/クラウドを接続して使う場合、従来はその都度、ユーザーが自前で回線を引き込んで接続していた。また、クラウドを提供していないDCもあり、ユーザーがどのDCを使っているかによって、クラウドを利用する際のコストや利便性に差が生じていた。アウトソーシング事業本部DC・クラウドビジネス事業部長の鈴木康紀氏は「場所の制約を解消し、均一な環境で当社のクラウドサービスを利用できるようにする必要があった」と話す。
富士通 アウトソーシング事業本部 DC・クラウド ビジネス事業部長 鈴木康紀氏 |
そこで15年に、ネットワークのプロビジョニングを自動化するシスコシステムズのDC向けソリューション「Cisco ACI」を導入。元々物理回線でつながっていた基幹DC(館林、横浜、港北、大阪千里、明石)を仮想的に1つのDCとして利用可能にするための「共通ネットワーク基盤を今年度中に構築する」(鈴木氏)計画だ。
ACIは、複数の機器で構成されているネットワークの設定や機能を「アプリケーションプロファイル」として成し、これを適用することでアプリケーション単位で必要なネットワークを構成・運用できるようにする。これにより、物理的なネットワーク構成に依存せずに、アプリケーション利用の視点から動的に複数DC/クラウドをつなぎ合わせられる基盤が実現できる。