NECは2016年6月6日、高層ビル・地下街・工場など、無線が繋がりにくい場所でも、高速で安定した無線通信を可能にする光ファイバ無線システムを開発したと発表した。
このシステムは、携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントを、アンテナ部と装置本体の制御部に分離し、その間の信号伝送に、デジタル化に伴う雑音を半減する位相同期型デジタル変調方式を適用したもの。
これにより、基地局やアクセスポイントに必要だったアナログデジタルの変換や周波数変換が不要になり、アンテナ部は従来の約1/5とカードサイズへの小型化を実現。様々な場所に設置して、電波の不感地帯を解消することができるという。
また、周波数や無線通信方式(LTE、無線LANなど)は、アンテナ部の交換なしに、装置本体側の制御部でソフトウェアを更新することで変更可能。アンテナ部が設置される環境に応じた無線通信環境を実現できる。
NECは今後、この技術を、高層ビルや地下街のほか、ロボットやセンサーをはじめとするIoT機器が多く導入される工場などの構内無線ネットワークへの適用をめざし、研究開発を進めるという。