通信市場予測2016モバイル通信はどこまで高速化するか?――3.5GHz帯活用で370Mbpsへ

ついに300Mbpsに到達したモバイルデータ通信の最大転送速度。2016年はさらにどこまで高速化するのか。2016年以降の高速化ロードマップを解説する。

2015年はモバイル通信サービスの高速化が一気に進んだ年といえるだろう。先陣を切ったのが、KDDIグループのUQコミュニケーションズで、2013年に運用を開始した新システムWiMAX2+の最大通信速度を3月に下り(端末の受信側)110Mbpsから2倍の220Mbpsへと引き上げた。

同じく3月にはNTTドコモがLTEの拡張規格LTE-Advancedを用いた「PREMIUM 4G」で下り225bpsの高速データ通信を開始、10月には300Mbpsに増速している。

では2016年、モバイル通信の高速化はどこまで進むのだろうか。現時点で見えているマイルストーンの1つが、UQが明らかにしているWiMAX2+による下り最大440Mbpsのサービスだ。

すでに提供中のWiMAX2+による220Mbpsサービスは、(1)端末と基地局にそれぞれ4本のアンテナを装備し、既存のWiMAX2+の伝送能力を2倍に高める4×4MIMO、もしくは(2)最大20MHz幅のWiMAX2+の電波(搬送波)を2つ束ねて高速化を図る2CC(Component Carrier)キャリアアグリゲーション(CA)のいずれかの技術に対応した端末を用いることで実現されている((1)は「Speed Wi-Fi NEXT WX01」、(2)は「同NEXT W01」が対応)。440Mbpsサービスは、この2つの技術の双方に対応する端末の投入で実現される。

月刊テレコミュニケーション2016年1月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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