フォーティネットのデレク・マンキー氏「2016年はこの5つのサイバー脅威に気をつけろ!」

フォーティネットジャパンは2015年12月4日、セキュリティ研究部門「FortiGuard Labs(フォーティガード ラボ)」を日本に開設したことと、2016年の脅威予測を発表した。これからは機器間通信の脆弱性を突く攻撃や、不正侵入の痕跡を消す「ゴーストウェア」が増えると予測している。

フォーティガード ラボを日本に開設フォーティネットジャパン社長執行役員の久保田則夫氏は記者発表会の冒頭で、「日本でのラボの開設は念願といっても過言でない。これまでMSP(Management Services Provider)やクラウド事業者から、脅威レポートやインテリジェンスを日本語で提供してほしいとの要望が寄せられていた。これから日本のマーケットに対してさらに貢献できるようになる」と期待感を表した。

フォーティネットジャパン社長執行役員の久保田則夫氏

ラボはグローバル展開されているセキュリティ研究部門で、全世界で普及しているUTMアプライアンス「FortiGate」「FortiWiFi」などの機器から収集されるデータや、各国のセキュリティ関係組織やベンダーから集まる脅威インテリジェンスなどをもとにシグニチャーの作成、脅威の分析やホワイトペーパーの作成、サンドボックスやIPS(Intrusion Prevention System、侵入防止システム)のエンジン作成などを行っている。

フォーティガード ラボはカナダの本部を中心に24時間365日体制のサポートを提供

日本のラボでは、日本にフォーカスしたサイバーセキュリティの調査を行うほか、重要な脅威インテリジェンスの情報を日本語で配信したり、日本国内の新たな脅威をプロアクティブに分析して他のラボにその内容をフィードバックして、シグニチャー作成などに活かす予定だ。

それに加え、日本でコンピュータセキュリティの情報収集・発信やインシデントへの対応支援を行うJPCERT(Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center)など国内のサイバーセキュリティ関連組織との連携強化や、セキュリティの啓蒙活動を推進するという。

現在、日本のラボのメンバーはセキュリティストラテジストの寺下健一氏のみだが、「2020年に向けて脅威が増えていくのは確実。何人とは言えないが、倍々でメンバーを増やす」と久保田氏は述べる。

日本のラボのセキュリティストラテジスト・寺下健一氏

寺下氏は、2015年にフォーティネットが日本で検知した攻撃統計の調査結果を紹介した。「統計のなかで急激に跳ね上がっていて一番増えているのがNTPへの攻撃。他にはDNSやHTTPSなど一般的なプロトコルを突くものも多いが、全体の3番目にWordPressを利用した攻撃が入っている。特定のアプリに対するものとして目立っている」

日本では数多くの脅威イベントが発生しており、ハッキングの試みは20億件以上。その多くはWordPressを狙ったものだという。WordPressを利用した攻撃では、WordPressに似たコードでウィルスを仕込んでおき、そこを訪れた人を次々と感染させていく。

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