ジュニパーネットワークスは2014年3月20日、サービスプロバイダー向けSDNポートフォリオの拡充を発表した。
一口にサービスプロバイダーといっても、いくつかのタイプに分かれるが、今回ジュニパーが発表したソリューションは、主に通信事業者をターゲットとしている。同社でサービスプロバイダービジネス統括本部 営業開発本部 チーフアーキテクトを務める長滝信彦氏は、「自動化」「拡張性」「創造」の3つのキーワードに沿って、新たなSDNソリューションを紹介した。
ジュニパーの新SDNソリューション |
まずは、ネットワーク設定作業の「自動化」を支援する「Junos Fusion」だ。これは、ジュニパーのネットワークOSであるJunosを搭載した1台のルーターから、他のルーターなどのコンフィギュレーションが一括して行えるようになるソフトウェア。ネットワーク管理用の標準プロトコルである「NETCONF」を取り入れており、サードパーティのマイクロ波装置や光ネットワーク機器などのデバイスも一括設定できるという。
Junos Fusionの概要 |
2つめのキーワードである「拡張性」を実現するのは、WAN用のSDNコントローラー「NorthStar Controller」だ。
NorthStar ControllerとPTX 1TBラインカード |
NorthStar Controllerは、いわゆる「トラフィックエンジニアリング」のためのコントローラーで、通信事業者が定義したパフォーマンスとコスト要件に基づき、最適な経路の特定とプログラミングが行える。同社が最近買収したWANDL社の技術を統合している。IPレイヤの情報だけではなく、光ネットワークの情報も含めて、「リアルタイムに最適なパスを計算し、ネットワークを制御できる」という。
また、同社のハイエンドルーター「PTX」シリーズ向けの1TBラインカードも発表。「スロット当たり1テラのモジュールにより、回線を収容するための箱を大幅に減らすことができる」。
急増するトラフィックに対して、経済的にネットワークインフラを拡張していくためのソリューションが、NorthStar Controllerと1TBラインカードとなる。