
米エクストリームネットワークス イーサネットスイッチ担当プロダクト・ディレクターのロジャー・ラプー氏(Roger Lapuh、右)、
インフラ担当チーフ・プロダクト・オフィサーのダン・デバッカー氏(Dan DeBacker、左)
――ネットワーク運用へのAI適用は、どの段階にありますか。
ダン・デバッカー 昨年投入した統合管理プラットフォーム「Extreme Platform ONE」の中核には、AIを置いています。ポイントは、AIを横断的な能力として実装したことです。キャンパスネットワークだけのAI、SD-WANだけのAI、データセンターだけのAIではなく、全体を1つの対象として管理します。
私たちの目的は、運用の複雑さや非効率、分断を解消し、ネットワーク全体を1カ所で管理・オーケストレーションできるようにすることです。従来は領域ごとに管理機能が分かれ、運用者が複数の画面を行き来しながら全体像を頭の中で組み立てていました。このサイロを崩さなければ、AIに与えられるデータも部分的なものに留まってしまいます。
「共同作業者」モードで信頼得る
――AIはどこまで自律的に動くのですか。
デバッカー Extreme Platform ONEの市場投入から1年後、第2世代のAI機能として「Extreme Agent ONE」を発表しました。これには、人間が関与し続ける「コワーカー(共同作業者)」モードと、人間の介在を必要としない自律的な「オペレーター」モードの2つがあります。
スタート時点は、共同作業者モードを使います。AIが「これから何をするか」を提示し、運用担当者が内容を確認して「これは妥当だ、実行してほしい」と承認します。判断の根拠と実行内容が事前に示されるため、運用者は承認の是非だけに集中できます。
そして、この承認の積み重ねがAIの実績になっていきます。完全自律で動くオペレーターモードは、その次の段階に位置付けています。
ロジャー・ラプー AIの導入は「信頼の速度で進む(at the speed of trust)」というのが、我々の哲学です。技術的に自律化が可能か否かと、ユーザーが自律化を任せられると感じるかどうかは別の問題だからです。AIが信頼を得るには実績が欠かせません。
――共同作業者モードでは、AIは具体的に何をしてくれるのですか。
ラプー Extreme Platform ONEはネットワークの状態と資産を把握しています。ネットワークから収集した各種のデータベースが、AIのためのデータ基盤を成しており、ユーザーはAIと対話してネットワークの状態を確認し、質問を投げ、データを辿ることができます。
デバッカー すべてがAPI駆動で、AIがインフラへ完全にアクセスできる構造にしてあります。これが自律化の前提条件です。自然言語で対話するインターフェースだけがあっても、AIは“おすすめ”を出すところまでしか担えません。
――将来的には、自然言語でAIと対話し、ネットワークを変更する実際の操作もAIが担うことになりますか。
デバッカー そうなります。若い世代が求めているのは自然言語です。加えて、企業は人材の確保に苦労しています。CLIかGUIか自然言語かという好みの問題ではなく、これは要員不足への現実的な答えなのです。










