データ連携ミドルウェア(EAI)の「ASTERA」とモバイルコンテンツ管理(MCM)の「Handbook」を提供するインフォテリアは6月13日、2013年度の事業戦略説明会を開催した。
インフォテリアのASTERIAとHandbookのシェア。ともに国内No.1だという |
代表取締役社長の平野洋一郎氏はまず、インフォテリアは15年前の創業時から「つなぐ」をテーマに製品開発を行ってきたと説明。EAIとMCMというと、「全然違う製品だね、と思われることもあるが、実は(つなぐという)一貫した考えに基づいた製品開発をしている」とのことだ。ASTERIAは「社内をつなぐ、会社間をつなぐ、そして今はクラウドをつなぐ」製品。一方、Handbookは、「さらにその先、クラウドから動く人、動くモノをつないでいく製品」だという。
また、平野氏はITの歴史を振り返ったうえで、クラウド化によって「企業はソフトウェアもハードウェアもネットワークも持たなくていい。企業の持ち物はデータだけで、あとは借り物」というITリソースの最適化が実現可能な時代がやってきたと指摘。さらに今後は、ソーシャル化の進展による「人的リソースの最適化」、トライブ化による「企業・組織の再定義」が進むだろうと話した。ITの活用により、「必要な人が必要なときに集まり、必要なことができる」時代がやってくるという。「もちろんずいぶん先の話だが、大企業は不要になるだろう」
ITの進化と経営への貢献の歴史と今後 |
リアルタイムの定形データ向け新製品も年度内にリリース
インフォテリアでは、こうした時代に向けて、これからも「つなぐ」をコンセプトに製品開発を行っていくというが、当面のビジョンとして打ち出されたのが「Middle×Front戦略」である。
Middle×Front戦略の概要 |
これは簡単に言えば、ASTERIA(=Middle)とHandbook(=Front)の連携強化。様々なシステムに分散したデータをASTERIAでつなぐことで役立つ情報を作り出し、それをタブレットに最適化されたHandbookのUIで現場活用していく。会見ではその一例として、Google AnalyticsとSalesforce.comから取得したデータを使って資料を作成。それをHandbookで閲覧するというデモも行われた。
また、平野氏は、HandbookはPDFやOfficeファイル、HTML5などの非定形データ向けのツールだが、CRMやSFAなどから取得したリアルタイムの定形データ向けのタブレット用新製品「Gravity」(開発コードネーム)を年度内にリリース予定であることも明らかにした。こうしたMiddle×Front戦略により、「MCM市場を制していく」という。
定形データ向けの「Gravity」(コードネーム)も開発中だという |