ジュニパーネットワークスは4月25日、3つの新製品を発表した。まずはキャンパスおよびデータセンター向けのコアスイッチである「EX9200」。昨年12月に日本法人社長に就任したジェフリー・ブラウン氏は「世界で最もプログラマブルなスイッチ」と紹介した。
プログラミング可能なパケット転送エンジンを搭載
EX9200はEXシリーズの最上位機種となるシャーシ型スイッチだ。「エンタープライズのキャンパス用コアスイッチとデータセンターを融合したいという要望が出てきている。EX9200はデータセンターに必要なコアスイッチ機能も同時に備え、キャンパスとデータセンターのコアを1つにすることができる」とアドバンステクノロジ本部 データセンタービジネス開発部 ディレクターの澤田大輔氏は説明した。
EX9200の概要 |
「世界で最もプログラマブル」と謳う理由の1つは、搭載するシリコン「Juniper One Programmable ASIC」にある。このASICは、プログラミング可能なパケット転送エンジンを備えており、このためVXLANやNVGRE、さらには今後新たに登場するであろうSDNプロトコルなどにも将来、既存のハードウェアで対応可能とのこと。澤田氏は「SDN時代に最適なコアスイッチ。シリコンがプログラマブルということは、いろんな方法に対応することができる」とマーチャントシリコンを採用したスイッチなどと比べた優位性をアピールした。
EX9200がプログラマブルの理由。シリコンのほか、システム、ソフトウェアの観点からもプログラマビリティを実現しているという |
EX9200は、4スロット(6U)/8スロット(8U)/14スロット(16U)の3種類のシャーシを用意し、1/10/40/100GbEポートをサポート(100GbE搭載のラインカードは年内出荷予定)。バックプレーン容量は最大13.2Tbps、10GbEは最大320ポート搭載できる(ワイヤスピードでは240)。さらに澤田氏は「MACアドレスの数は、通常のコアスイッチだと10万、20万のエントリが一般的なのに対し、最大100万のMACアドレスを1筐体の中に持てる。また、仮想化することによって通常のスイッチの8倍、3万2000のVLAN IDを作ることができる」など、スケーラビリティの高さも強調した。
仮想アプライアンス版の無線LANコントローラ
2つめの新製品である「Junos Space Network Director」は、ネットワーク管理ソリューションである。EX9200はキャンパスとデータセンターで使えるコアスイッチなわけだが、このNetwork Directorではキャンパスとデータセンター、さらに有線・無線をエンド・ツー・エンドで統合管理できる点が特徴だという。
Junos Space Network Directorの概要 |
そして3つめの「JunosV Wireless LAN Controller」は、x86コンピュータ上で稼動する仮想アプライアンス版の無線LANコントローラだ。「場所に囚われない。どこにコントローラがあっても、高いパフォーマンスをアベイラビリティを実現できる」(澤田氏)とのこと。来年にはEX9200上にも搭載できるようになるそうだ。
EX9200とJunos Space Network Directorはすでに出荷開始済み。JunosV Wireless LAN Controllerについては2013年第2四半期の出荷が予定されている。