ソフトバンク、エリクソン・ジャパン、Qualcomm Technologiesの3社は2025年12月23日、5G SA（Stand Alone）の商用ネットワークにおいて、複数の5G/5G-Advanced技術を組み合わせた低遅延通信のフィールドトライアルを実施したと発表した。

具体的には、都内の5G SAの商用ネットワークにおいて、通信の遅延を低減する「L4S」（Low Latency, Low Loss, and Scalable Throughput）や、モバイル端末から基地局への送信手続きを簡略化する「Configured Uplink Grant」機能、基地局が無線リソースを動的に制御する「スケジューラーによるRate Control機能」など、複数の技術を組み合わせた実証を実施した。

実証では、高いリアルタイム性が求められるXRコンテンツのストリーミング配信をユースケースとして、通信性能を検証した。スマートグラスをスマートフォンとWi-Fiで接続し、対象の5G基地局を介してスマートフォンを商用のモバイルネットワークに接続。スマートグラスおよびスマートフォンは、インターネット上に構築したアプリケーションサーバーとの間でデータの送受信を行った。

実証のイメージ

フィールドトライアルの結果、 L4Sなどの各種5G/5G-Advanced技術を活用しない場合と比較し、無線区間のレイテンシーを約90%低減できることを確認。さらに、ネットワークスライシングを活用することで、5G/5G-Advanced技術の適用範囲を今回のフィールドトライアルに使用した端末に限定し、低遅延が求められるXRコンテンツのストリーミング配信に最適化された通信を確立できたとしている。