電力効率100倍・伝送容量125倍・遅延1/200という野心的な目標の達成を目指すNTTの次世代ネットワーク構想「IOWN」。2023年3月には、その商用サービス第一弾となる「APN(オールフォトニクス・ネットワーク)IOWN1.0」の提供がスタートした。
リリースから約2年半が経過し、現在APNはどのように使われているのか。昨年3月に100Gbpsの「APN専用線プラン powered by IOWN」(以下、APN専用線プラン)を提供開始したNTTドコモビジネス プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 販売推進部門 第1グループ 担当課長の佐々木雄二氏によれば、「APN専用線プランは全国で1300件以上の導入実績がある」。

NTTドコモビジネス プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 販売推進部門 第1グループ
担当課長 佐々木雄二氏
NTTドコモビジネスでは、例えば拠点Aと拠点BをAPNでつなぐ場合、A側・B側それぞれを1回線としてカウントしているため、E2Eの導入実績は実質650件程度となるが、導入件数は順調に推移しているという。
APN専用線プランは、同社が運営する国内70拠点以上のデータセンター(DC)間などをAPNで接続できるサービスだ。現時点では、生成AIやIoTなどの普及に伴うトラフィック急増を背景に、「バックボーン回線を増強したい」というISPやクラウド事業者の利用が多数を占めているそうだ。
しかし、状況は変わりつつある。APN専用線プランはサービス開始当初、光伝送専用規格であるOTU4インターフェースのみの対応だったが、今年1月よりイーサネットをサポートし、10Gbpsといった低速サービスも追加。メニューの拡充後、一般企業からの問い合わせが増えているという。
佐々木氏は、「低遅延かつ環境に優しいICTシステムの基盤技術として、APNへの期待は大きい」と語る。APNは、場所や時間の制約を超え、新たな顧客体験や産業DXを支える社会インフラとなる可能性を秘めている。











