KDDIは2025年10月3日、大阪・関西万博の閉幕に向けた来場者急増に対応するため、会場内の混雑エリア(EXPOアリーナ Matsuri/ウォータープラザ/ポップアップステージ 西)に5Gミリ波中継器3台を設置したと発表した。
5Gミリ波中継器は、小型・軽量で光回線の敷設が不要なため、回線工事を伴う基地局工事と比較して、全体工期を8割以上削減できるという。また、設置は1日と大幅に設営期間を短縮でき、突発的な通信需要に適した車載型基地局に加えて、中期的な通信需要に適している。
KDDIは、大阪・関西万博の来場者に安定した通信サービスを提供できるよう、開幕前には会場内外に5G Sub6基地局を新規で整備したほか、高速通信を提供するDB-MMU(Dual Band Massive MIMO Unit)を搭載した基地局を導入した。会期中も、入場ゲートなどの混雑するエリアに対し、車載型/可搬型基地局による対策を実施しているという。
閉幕に向けて、さらなる来場者の増加が見込まれたことから、GPS位置情報データによる人流分析ツール「KDDI Location Analyzer」にて混雑エリアを分析し、多くの来場者が密集して通信が不安定になるおそれがある場所を特定することで、5Gミリ波中継器を効果的に配置したという。
イベントが日々開催されるEXPOアリーナでは、ダウンロード1.5Gbps超/アップロード400Mbps超の高速通信が可能になったとのこと。加えて、5Gミリ波の通信量は設置前比で約8倍に増加しており、一部の通信トラフィックが5Gミリ波に分散されたことで、全体の通信トラフィックが最適化され、会場内のユーザーの通信品質向上につながったとしている。