NECは2025年9月26日、一心双方向光トランシーバー「25G SFP28 80km BiDi」を11月より出荷開始すると発表した。
25G SFP28 80km BiDiの外観
同製品は、高出力レーザーと高感度受信器の組み合わせにより、80kmの長距離伝送に対応するリンクバジェット(送信器と受信器の間の信号損失と、信号受信に必要な利得のバランスを表す指標)30dBを実現。ファイバー損失の大きい区間やダークファイバーを活用した大規模なネットワーク構築にも適応し、広域通信の信頼性向上を実現できるという。
また、上り/下りで異なる波長を用いるWDM(波長分割多重)方式の一心双方向伝送により、一本の光ファイバーで双方向通信が可能であり、ファイバー本数とコストを大幅に抑制。さらに、従来の40kmまでの製品では長距離化に中継機器が必要だったが、同製品ではそれが不要となり、インフラ工事など運用面での負担を大幅に軽減できるとのこと。
産業用温度条件(-40~+85℃)においては、2.5W以下の省電力設計を実現。光半導体増幅器を用いる従来品に比べ、約20%の消費電力を低減できるという。また、標準的なSFPポートにそのまま搭載することが可能なため、既存設備を生かしたスムーズな導入が可能だとしている。