九州電力、インターネットイニシアティブ(IIJ)、QTnet、1FINITY、ノーチラス・テクノロジーズの5社は2025年9月24日に記者説明会を開催し、九州エリアにおける分散型データセンター(DC)の構築に向けた実証プロジェクトを開始すると発表した。実証期間は、2025年10月~2026年3月。
(左から)九州電力 テクニカルソリューション統括本部 情報通信本部 ICT事業推進グループ グループ長 中川公士郎氏、IIJ 常務執行役員 ネットワークサービス事業本部長 山井美和氏、1FINITY フォトニクスシステム事業本部長 松井秀樹氏
今回の実証プロジェクトでは、再エネが豊富な九州各地に設置した小規模DCをオール光ネットワークで接続し、1つの巨大なコンピューティングリソースを構築することで、「九州版ワット・ビット連携」の実現を目指す。
ワット・ビット連携とは、電力インフラ(ワット)と通信インフラ(ビット)を有機的に連携させることで、AI活用や脱炭素、地域振興などを目指す取り組みだ。今年3月には、官民一体でDCのあり方を検討する「ワット・ビット連携官民懇談会」が立ち上がるなど、その重要性はより一層高まっている。
同プロジェクトの全体統括を務める九州電力 テクニカルソリューション統括本部 情報通信本部 ICT事業推進グループ グループ長の中川公士郎氏は、「ワット・ビット連携の実現に必要なデジタル技術の有効性を検証することがプロジェクトの目的」だと説明した。