SPECIAL TOPICWi-Fi 7のカギは可視化と試験自動化 5G RANのテストにも新潮流

Wi-Fi 7への期待が高まっているが、まだ課題も残っている。安定した無線環境の実現や対応デバイスの拡充・低価格化だ。そこで丸文が注力するのが、Wi-Fi 7の課題解決に貢献するソリューション。また、O-RAN時代に向けては、光マトリクススイッチを活用した5G RAN試験の新たなアプローチに注目が集まっている。

「当社ではWi-Fiとローカル5Gは用途に応じて併用され、共存していくと見ています。こうした中、帯域幅やセキュリティなどの面で格段にパフォーマンスが向上したWi-Fi 7が登場し、これまでローカル5Gが使われていたユースケースの一部をWi-Fiがカバーできる可能性が出てきました。そこでWi-Fi 7の普及を支える各種ツールの取り扱いに力を入れています」

こう語るのは、丸文の藤井遥紀氏だ。

従来の2.4/5GHz帯に加えて、新たに6GHz帯が利用可能になったWi-Fi。その6GHz帯を用いた320MHz幅の広帯域通信をサポートしたのがWi-Fi 7だ。さらには複数の周波数帯を同時に使うMLO(Multi-Link Operation)や高次変調の4096-QAMなどの新技術を組み合わせることで、最大46Gbpsの超高速・大容量通信と低遅延通信を実現する。

こうしたWi-Fi 7の高い性能をフルに引き出すために、これから大いに活躍していくのが、無線監視クラウドサービスだ。

(左から)丸文 アントレプレナ事業本部イーリスカンパニー 情報通信課 シニアアソシエイト 藤井遥紀氏、同課 小川竜平氏

(左から)丸文 アントレプレナ事業本部イーリスカンパニー 情報通信課 シニアアソシエイト 藤井遥紀氏、
同課 小川竜平氏

Wi-Fi可視化でトラブル解決 マルチベンダーにも対応

企業や家庭で広く利用されているWi-Fiだが、依然として「接続できない」「途切れる」「通信が遅い」などのトラブルが生じやすい傾向がある。

こうしたトラブルを解決する有力な手立てとなるのが無線環境の可視化だ。

丸文が紹介するサイレックス・テクノロジー社の「AMC Cloud®」は、Wi-Fiデバイスの接続状況や干渉電波の状況などを把握できるサーベイデバイス「WM-100CL」を設置し、取得したデータをクラウド上で処理。Webベースの監視コンソールから、ヒートマップやチャネルごとの時系列グラフなどの形で、Wi-Fi環境を“見える化”できるサービスだ(図表1)。

図表1 AMC Cloudの接続構成

図表1 AMC Cloudの接続構成

さらに、トラブルの発生を検知してアラートを発するとともに、原因分析と解決策の提示も行える。

Wi-Fi環境を監視するための機能は、他の無線LANベンダーからも自社のWi-Fi製品に限った利用を前提に提供されている。そうしたソリューションと比較すると、AMC Cloudは異なる無線LANベンダーの製品が混在するマルチベンダー環境でも利用できる点が大きな特徴の1つとなる。

AMC Cloudは、高い信頼性が求められる産業分野などで導入が始まっている。2025年度第4四半期には6GHz環境にも対応を予定しており、Wi-Fi 7の本格活用を支えていく。

加えて、丸文は、AMC CloudによるWi-Fiとローカル5Gの統合監視も提案している。丸文が取り扱うローカル5Gシステムでは、AMC Cloud APIを介してAMC Cloudの監視機能を利用可能だという。

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