日本アバイアは2012年6月1日、中小企業や大企業の小規模拠点向けのスイッチ「Avaya Ethernet Routing Switch 3500シリーズ(ERS 3500)」の提供を開始した。
製品発表会ではまず、日本アバイア 代表取締役社長のロバ—ト・スチーブンソン氏が同社の経営戦略について言及。「アバイアは音声から始まり、ユニファイドコミュニケーション(UC)へとビジネス領域を広げてきたが、今はさらにビジネスコラボレーションにまで拡大させている最中だ」と語った。
日本アバイア 代表取締役社長のロバ—ト・スチーブンソン氏 |
また、スチーブンソン氏は、「企業ユーザーと同じ視点を持ち、初めにネットワークありきではなく、アプリケーション中心にネットワークを考えていきたい」とも話した。企業ユーザーはネットワークがあるから何かに使おうと考えるのではなく、アプリケーションを使いたいからそのためのネットワークを構築しようと考える。
さらに、スチーブンソン氏は、企業の間で急速に普及しつつあるスマートデバイスにも言及。スマートデバイスは様々なシーンで利用されることから、「いつでも、どこでも、どのデバイスでも次世代コラボレーションに最適なネットワークを」というキャッチフレーズを掲げているという。
さて、今回は発表されたERS 3500シリーズのメインターゲットは中堅企業と大企業の小規模事業所だ。アバイアはこれまで主に大企業向けのスイッチを提供してきたが、大企業のなかには本社に高パフォーマンスなネットワーク製品を導入していても、地方の支店などには手が回っていない会社も少なくないという。それでは本社のネットワーク製品のパフォーマンスを活かしきれない。
10/100/1000Mbpイーサネット×8ポートとSFP×2ポート搭載でファンレス設計の「ERS3510GT」 | 10/100Mbpsイーサ×24ポートと、10/100/1000MbpsイーサまたはSFPのコンボポートを2つ搭載したファンレス設計の「ERS3526T」 |
そこでアバイアは、同社のスイッチでは最も規模の小さな事業所向けのERS 3500シリーズを市場に投入することで、「企業ネットワークのトータルなあるべき姿を提供する」(スチーブンソン氏)という。
エッジ向けからコア向けまで揃うアバイアのスイッチ製品ラインナップ |
ERS 3500シリーズの具体的な特徴を紹介したのは、ネットワーク営業部 ネットワーキング ソリューション マネージャーの山中幸代氏だ。6モデルをラインナップするERS 3500シリーズは、「中小規模ネットワークにジャストフィットする」以下の特徴を持っていると説明した。
ERS 3500シリーズの特徴 |
まずは小型の10ポート搭載モデルを2種類用意していることで、卓上や壁面への設置も可能だという。また、従来の同社製品と比べて電力効率を80%以上改善したほか、低発熱、動作温度50℃も実現し、国内で高まる節電へのニーズに応えたとのことだ。
さらにファンレス動作対応モデルやPoE+対応のモデルも用意。24ポートモデルについては、ソフトウェアアップデートにより、スタッキングにも対応する予定だ。アバイア製のIP電話機の設定が自動で行われる「ADAC(Auto Detect Auto Config)」もサポートする。
6モデルあるERS3500シリーズのスペック比較表 |
ERS 3500シリーズの価格は最も安い「ERS 3526T」で850ドル(約7万円)からで、「値ごろ感もある」とスチーブンソン氏は強調。シリーズ全体で1万台の年間販売目標を掲げている。