シスコシステムズは2012年5月30日、企業のネットワークが抱える課題に予防的(プロアクティブ)に対処することで業務への影響を回避し、企業の資産を守る「シスコ スマートサービス」の全容を発表した。
シスコ スマートサービスは、これまでの事後対応型のサービスに加え、事前対応型の機能を備えたサービス。ネットワークの情報を可視化し、ソフトウェアによる自動的な分析を提供することで、サービス導入企業にとってはネットワークの信頼性を守るための予防的な対応策が可能になるという。シスコの25年間にわたるネットワーク事業で蓄積した知識と経験、ベストプラクティスが活かされているとのことだ。
シスコ ジャパン シスコサービス事業 執行役員の中島シハブ氏は、このスマートサービスを提供する「シスコサービス事業」のミッションについて、「企業ユーザーが抱えるビジネスの課題を、テクノロジーとアーキテクチャのソリューションによって解決するためのお手伝いをすること」だと説明。また、「シスコの究極の目的は、パートナー企業と共に企業ユーザーのビジネスを成功に導くことだ」と語った。
シスコ ジャパン シスコサービス事業 執行役員の中島シハブ氏 |
シスコ ジャパン テクニカルサービス シニアディレクターのセイ・クウォン氏は、「スマートサービスは、シスコのサービス事業戦略のカギを握るものだ」と話し、従来のように企業ユーザーから連絡を受けてからネットワークの問題に対応するのではなく、予防的に先手を打つことが重要であり、それができるのがスマートサービスであるとした。
また、セイ氏はスマートサービスの大きな特徴として「自動化」を挙げた。自動化により、人的エラーを低減できる。さらに、企業ユーザーのネットワーク上のデバイスが障害を検知した段階で、自動的にシスコやパートナー企業に連絡が入る仕組みにもなっており、問題解決のためのソリューションを素早く提供することができるという。
シスコ ジャパン テクニカルサービス シニアディレクターのセイ・クウォン氏 |
シスコ ジャパン テクニカルサービス マネージャーの大和哲也氏は、スマートサービスのコアを担う2つのソリューションについてデモを交えて説明。1つは、ネットワーク全体の構成要素の可視化。「ネットワークにおけるハードウェア構成やソフトウェアバージョン、セキュリティ脆弱性やサポート契約といった情報管理をシスコの専用Webポータル上で一元的に管理し、効率よく提供するので、ネットワーク全体の管理能力の向上を図れる」と話した。
2つめのコアソリューションは、ネットワーク障害対応の自動化。「ネットワークで障害が発生すると、ネットワーク機器がそれを検知し、障害内容と必要な機器情報をシスコに送る。シスコでは長年培った知的資産を駆使してその内容を自動解析し、サービスリクエスト、つまり技術支援依頼を作成して障害の対処法を企業ユーザーへ通知する。これによって企業ユーザーの保守運用の効率化はもちろん、障害解決の時間短縮も図れる」と大和氏は語った。
シスコ ジャパン テクニカルサービス マネージャーの大和哲也氏 |
また、シスコは同日、日本のテクニカル サービス ラボを記者団に公開した。米サンノゼにある本社ラボに匹敵する1万2000点のデバイスを保有。最新のクリーニングシステムやパワーマネジメントシステムを導入し、大幅な電力消費に成功したという。
1万2000点のデバイスを保有する日本のテクニカル サービス ラボ |