アップルは2012年3月8日、iPadの新機種を発表した。アップルのサイトではこの第3世代のiPadについて単に「新しいiPad」と紹介しており、機種名は噂された「iPad 3」ではなく、ただのiPadとなるようだ。
新しいiPad |
新しいiPadの主な特徴としては、まずRetinaディスプレイの採用があり、2048×1536ピクセルの高解像度を実現した。従来は1024×768ピクセル。ピクセル数ではiPad 2の4倍となる310万になるが、これはハイビジョンテレビとの比較でも100万も多いとのこと。この高解像度化には、クアッドコアグラフィックス搭載のA5Xチップの採用が大きく貢献しているという。彩度も44%向上した。また、カメラは5メガピクセル、オートフォーカスのiSightカメラで、1080pのHDビデオ撮影も可能になっている。
用意するモデルは、Wi-FiモデルとWI-Fi+4Gモデルの2種類で、それぞれ16GB/32GB/64GBの3タイプがある。
Wi-FI+4Gモデルは新たにLTEやDC-HSDPAに対応しているが、国内での提携通信事業者として発表されているソフトバンクモバイルはまだLTEを提供しておらず、また同社がDC-HSDPAを展開する1.5GHz帯には今度はiPad側が対応していない。このため発売時点での下り最大通信速度はHSPA+による14.4Mbpsになる見込みだ。なお、今のところアップルのサイトに通信事業者として表記されているのはソフトバンクだけで、iPhoneを発売するKDDI/auの名前はない。また、通信機能の変更点としては、Bluetooth 4.0のサポートも挙げられる。
新しいiPadの価格はWi-Fiモデルが4万2800円(16GB)から、Wi-Fi+4Gモデル(16GB)が5万3800円から。
このほか、重さと厚みがiPad 2より若干増えており、重さはWi-Fiモデルの場合で51g増の652g、厚みは両モデルとも0.6mm増の9.4mmとなった。バッテリー駆動時間は従来と同じ最大10時間となっている。
<お詫びと訂正>
本記事の公開当初、国内での新しいiPadの最大通信速度はDC-HSDPAによる42Mbpsになると記述しましたが、ソフトバンクモバイルがDC-HSDPAを展開する1.5GHz帯にiPadは対応しておらず、誤りでした。お詫びして訂正するとともに、ご指摘いただいた読者の方に感謝申し上げます。