「オール光」で複数事業者がつながる NTTらが提案する「共通基盤技術」が総務省の基金事業に採択

NTT、KDDI、富士通、NEC、楽天モバイルは2024年10月22日、5社による「オール光ネットワーク共通基盤技術」に関する共同提案が、総務省の「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム(共通基盤技術確立型)」に採択されたと発表した。複数事業者間をまたがるオール光ネットワークの実現に向け、3つの技術開発に着手する。

総務省と情報通信研究機構(NICT)は今年8月、「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム(共通基盤技術確立型)」の公募を開始した。

公募対象の研究開発テーマは、「オール光ネットワーク共通基盤技術」。通信事業者やデータセンター事業者などの多様な事業者が、遅延やゆらぎのないオール光ネットワークを低消費電力かつ低コストで利用できる世界を目指すものだ。

NTTが採択された基金・研究開発事業

このプログラムに採択されたのが、NTT、KDDI、富士通、NEC、楽天モバイルの5社による共同提案だ。同提案の代表者であるNTT 研究開発マーケティング本部 研究企画部門 IOWN推進室⾧の荒金陽助氏は、2024年10月22日に開催された記者説明会にて、「IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)を複数事業者で協調し、エンドツーエンドで品質確保できるネットワークへ進化させる研究開発に着手していく」と語った。

NTT 研究開発マーケティング本部 研究企画部門 IOWN推進室⾧の荒金陽助氏

NTT 研究開発マーケティング本部 研究企画部門 IOWN推進室⾧ 荒金陽助氏

ただ同氏によると、オール光ネットワーク共通基盤技術の実現に向けてはいくつかの課題があるという。「クラウド事業者やデータセンター事業者などの多様な主体間をオール光ネットワークでシームレスに接続できる仕組みや、低廉な装置・運用コストで通信品質をエンドツーエンドで確保できるシステムが存在しない」

また、現行のROADM(光信号の挿入・分岐を行う光伝送装置)は“通信事業者向け”というイメージも根強く、小規模な拠点等にも配備できるROADMの研究開発が必要になるという。

業界共通的に取り組むべき個別の課題

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