ソフトバンク孫氏がAIの未来を展望「“AI of Things”の時代が10年以内に到来する」

ソフトバンクグループの孫正義氏が、同社のプライベートイベント「SoftBank World 2024」の特別講演に登壇。「AGI(汎用人工知能)は2~3年以内に、ASI(人口超知能)は10年以内に実現する」と断言した。個人のエージェントと家電等のエージェントが連携する「AI of Things(AIoT)」が実現する日も、そう遠くはないという。

「昨年、AGI(汎用人工知能:Artificial General Intelligence)は10年以内に実現すると申し上げたが、その期間はぐっと近まり、2~3年以内に実現すると考えている。そしてこのAGIの1万倍の性能を持つ『ASI(人口超知能:Artificial Super intelligence)』は、10年以内に実現するだろう」

2024年10月3日に開催されたソフトバンクグループのプライベートイベント「SoftBank World 2024」の特別講演で代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義氏はこう語った。

ソフトバンクグループ 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義氏

ソフトバンクグループ 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義氏

孫氏によると、AIは5段階のレベルに分類される。「レベル1」は人間と自然な会話ができるようになり、「レベル2」では博士レベルの問題解決力を持つようになる。「レベル3」はユーザーに代わって行動し、「レベル4」ではイノベーションを創出、「レベル5」では組織全体の仕事を遂行することが可能になる。

ASIは、このレベル5を超えて、人間の感情を理解して長期記憶を持ったり、自らの意思を持つようになるという。つまり、「情報を『知る』『理解する』というフェーズから、AIは『思考力』を持つ存在になる」。

著しく進化を遂げるAIの一例として、孫氏は先月に発表された「OpenAI o1」を挙げ、「ノーベル賞レベルの技術だ」と太鼓判を押した。

博士号レベルの物理・化学・生物に関する問題をGPT-4oに解かせたところ、正答率は56%に留まり、専門家が解いても70%の正答率だった。OpenAI o1に同じ問題を与えたところ、両者を上回る78%の正答率を叩き出したという。証明問題などの思考力を要する数学の試験では、GPT-4oはわずか11%の正答率だったが、OpenAI o1は89%の正答率を誇った。

難関問題の正答率

難関問題の正答率

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