ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズは2011年10月21日、オープンソースのクラウド・オペレーティングシステムとして米国を中心に利用者が急増している「OpenStack」に対応しCloudianによってOpenStackにAmazon S3との互換性、プロビジョニング、課金APIといった機能を追加するためのソフトウェアパッケージ「Cloudian-OpenStackディストリビューション」を発表した。
OpenStackは、Rackspace、Citrix、Dell、NASA、Ciscoを含む125以上の参加組織を有し、急速にパブリックとプライベートクラウドの業界標準となりつつあるオープンソースのクラウド・オペレーティングシステム。すでに5万近くのダウンロードがある。現状では、OpenStack Object Storage (完全分散オブジェクトストア、コードネーム:Swift)、OpenStack Compute (スケーラブルな計算処理プロビジョニング・エンジン:コードネーム:Nova)、OpenStack Image Service(イメージ保管と配信サービス:コードネーム:Glance)といった3つのプロジェクトが進行中である。
今回、発表した「Cloudian-OpenStackディストリビューション」は、これら3つのプロジェクトに対応するパッケージとなっており、Nova、Swift、Glance(いずれもコードネーム)の機能をCloudianとともに利用することが可能になる。これによりOpenStackのユーザーは、以下の3つのような利用方法やサービス展開が可能になるという。
●NovaとCloudianの組み合わせ
Novaの環境で動作しているアプリケーションは、S3 APIを経由してCloudianにデータを読み書きすることがでる。S3 APIを利用している既存アプリケーションは、データ格納のためにCloudianを利用しNova上で動作する。
●SwiftとCloudianの組み合わせ
アプリケーションは、APIと機能要件に基づき、SwiftかCloudianを選択しデータを格納することができる。アプリケーションは、CloudianとSwiftに、同時にデータを格納することが可能。サービスプロバイダーは、Swift APIとS3 APIによるパブリックとプライベート・クラウドソリューションの両方を提供することができる。
●GlanceとCloudianの組み合わせ
Glanceは、Amazon S3サービスにNova仮想マシン(Virtual Machine)イメージを格納させることができる。簡単な設定変更により、Glanceユーザーは、VMイメージをCloudianソフトウェアで動作しているプライベートシステムに格納するか、Amazon S3サービスにするかを選択可能。
「Cloudian-OpenStackディストリビューション」には、Nova、Swift、GlanceとCloudianの最新リリース版が含まれている。30日間の無償評価版ダウンロードは以下のサイトから申込むことができる。