オラクル・パークに見る米MLBのWi-Fi活用 6GHz帯の高速大容量と観客の行動分析に期待

2023年春にWi-Fiを刷新したオラクル・パークは、MLB初の“Wi-Fi 6Eレディ”な球場だ。将来のトラフィック増対策に向けて先行投資。さらに、Wi-Fiデータによる観客の行動分析にも期待を寄せる。

MLB初のWi-Fi 6Eレディな球場

「オラクル・パークは、MLB初のWi-Fi 6Eレディな球場となった。現在は6GHz帯を吹いていないが、サポートするスマートフォンが普及すれば、即座に6Eをオンにして高速なWi-Fiサービスを提供できる」

そう語るのは、米メジャーリーグベースボール(MLB)西地区に所属するサンフランシスコ・ジャイアンツで、26年にわたって情報通信インフラの構築・運用を担ってきたCIO(最高情報責任者)のビル・シュロフ氏だ。2023年シーズン開幕前に本拠地であるオラクル・パークのWi-Fiネットワークを刷新。将来のトラフィック増に対応できるキャパシティを確保すべく、6GHz帯を使用するWi-Fi 6E環境を整備した。

サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パーク

サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パーク

サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パーク。2000年の開業当時の名称は、通信事業者の名を冠した「パシフィック・ベル・パーク」だった。同事業者の名称変更とともにSBCパーク、AT&Tパークと名を変え、2019年にオラクルが命名権を取得した

採用したのはExtreme NetworksのWi-Fiソリューションだ。

879台のWi-Fi 6E対応アクセスポイント(AP)で球場全体をカバー。1AP当たり50台の同時接続数で、満員時約4万2000人の観客がWi-Fiを使い倒せる環境に仕上げた。

同時に、刷新前の1300台からAP数を大幅に削減することにも成功。APは座席の下にも配置することで(下写真)、混雑時でも電波をつかみやすくしている。なお、球場内のコアネットワークも現在、同社製スイッチへリプレースを進めている。

スタンドに設置された屋外用のWi-Fi 6E対応A

スタンドに設置された屋外用のWi-Fi 6E対応AP。座席下のAPは、モノが落ちてきたり、こぼれた飲み物がかかっても故障しないよう、キャビネットで保護している

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