NTTドコモなど、ソーラー発電所におけるStarlinkを活用した自動運転型草刈り機の実証実験

NTTドコモ、筑水キャニコム、大協不動産の3社は2024年3月26日、ソーラー発電所での草刈り作業の省人化および自動化に向けた「Starlinkを活用した自動運転型草刈り機の実証実験」を今月38日に実施すると発表した。

ソーラー発電所は、日陰になることによる発電量低下、火災、故障、保守点検の非効率化など、雑草が生い茂ることによる様々なデメリットがあり、除草による用地管理が必要とされている。一方で、ソーラー発電所のような場所では、近年の地球温暖化に伴う平均気温上昇による熱中症リスクの増大、蜂刺されや刈刃の接触による労働災害の増加が顕著で、過酷な労働環境から草刈り作業の担い手不足が深刻になっている。

今回の実証では、大協不動産が管理するソーラー発電所において、草刈り作業の省人化および自動化を目的に開発したStarlinkを活用した自動運転型草刈り機による草刈りを行い、運用性能を検証する。近年の酷暑に伴う熱中症リスクから人手不足が深刻な草刈り作業を自動化することで、過酷な労働環境の改善と適切な用地管理への貢献を目指す。

実証のイメージ図

自動運転型草刈り機はキャニコムが2022年6月から商用提供している機体をベースにしており、機体に搭載した高精度GNSSによる自己位置情報を基準に、事前に設定したルートを走行し車両前方の刈刃で草刈りを行う。ベース車両は最大傾斜角45度までの斜面で走行・草刈りが可能なため、河川敷や鉄道・高速道路の法面など、これまでは対応が難しかった場所も草刈り作業の自動化が可能となる。

遠隔地では車両の四方についたカメラ映像や地図に配置された機体の位置情報、四方のうちの前方カメラに合成された自動運転走行ルート情報などを複合的に目視で確認することで、機体の状態をリアルタイムに把握する。傾斜角やGNSS電波の精度等、機体の安全性に影響を及ぼす情報についても同様にモニタリングし、危険がある場合は監視者側で遠隔操縦への切り替え、操縦が可能だ。遠隔監視、操作時の通信についてはLTE通信に加えて衛星通信Starlinkも使用できるため、電波の入りにくい環境下でも作業を行うことができる。

遠隔モニタリング画面

遠隔モニタリング画面

3社は今後も、温室効果ガスの削減という社会的責任を果たすため、グリーンエネルギーの推進に向けた活動を実施する。ソーラー発電所の設備維持コスト削減など、グリーントランスフォーメーションに関わる分野において積極的な技術変革を進めていくことで、サステナブルな社会の創造に貢献するという。

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