KDDIは2024年3月15日、スマートフォンに搭載されたUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線通信)機能を活用した自動音声ガイドシステムのサービス実証を行うと発表した。
サービス利用イメージ
実証は2024年6月7日から、KDDIの企業ミュージアム「KDDI MUSEUM」(東京都多摩市)で行われる。専用アプリがインストールされたスマートフォンを来場者に貸し出し、ミュージアムの各展示エリアに近付くと展示内容を説明する音声ガイドが自動再生される。UWBは高精度の位置情報の取得が可能であり、隣接した展示物を誤差数10センチ以内で区別できるという。そのため、来場者はスマートフォンを操作することなく、展示物に合った音声ガイドを聞くことができるとしている。
KDDIによると、スマートフォンに搭載されたUWB機能を使用した展示物の自動音声ガイドサービスは国内初とのことだ。
体験用スマートフォンとイヤホン
音声ガイドサービスは博物館、美術館等で広く使われているが、屋内での高精度な位置情報の把握が難しいため、自動的に正確な展示物の解説を提供することが難しかったり、来場者の手動操作が必要になったりなどの課題があった。
同実証では、来場者の位置と音声ガイドの開始タイミングや、来場者の見学速度に応じたエリア設定の最適性、音声ガイドコンテンツの内容や長さなどを評価し、自動化ならではの体験価値向上における同システムの有用性を検証する。
KDDIはサービス実証のほか、同システムおよびコンテンツの開発を担う。KDDIテクノロジーがアプリケーション開発、村田製作所がUWBモジュールおよび関連ソフトウェアの提供、NXPジャパンがUWBに関する開発環境の提供や技術情報の提供をそれぞれ行い、連携して取り組む。
なお、音声ガイドのナビゲーターには人気声優の梶裕貴氏らを起用。サービス体験は毎週水曜・金曜の午後に予約制で実施する。予約は4月8日からKDDI MUSEUM公式サイトで受け付ける。