NECのVPN対応アクセスルーター「UNIVERGE IX」は、2001年から20年以上にわたって様々な業種で活用されている。出荷実績は累計で130万台にも及ぶこの人気シリーズに、新ラインナップが登場した。10GbEと1GbEの両方をサポートする「IX-Rシリーズ」だ。
2024年4月に発売する「IX-R2530」
IXルーターは、回線種別やインターフェース、ネットワーク規模等に応じて選べる多彩なラインナップが特徴だ。これまで、中小規模センター/拠点向けの1GbE対応ルーター「IX2000シリーズ」と、大規模センター向けの上位モデル「IX3000シリーズ」を展開してきたが、今回、ミドルレンジをより手厚くカバーするため、10GbE・1GbE両対応の新「IX-Rシリーズ」を発表した。
企業や公共機関のネットワークを流れるトラフィックが増大するに連れて10GbE対応ルーターへの需要が高まっており、そのニーズによりリーズナブルに応えるのが、IX-Rシリーズの狙いだ。2024年4月に出荷を開始する第一弾製品「IX-R2530」の希望小売価格(税別、以下同)は22万5000円。NEC マーケティング&アライアンス推進部門 インテグレイテッドマーケティング統括部 マーケティンググループファンクション統括グループの古賀義治氏によれば、「現行の10GbE対応ルーター(IX2310)と比較して、43%のコスト削減が可能だ」。
UNIVERGE IXシリーズのラインナップ
5Gの高速・低遅延を活かすためCPUとメモリ、OSを一新
もともと、コスパの良さはIXルーターの売りでもある。転送性能・VPN性能、VPN対地数、最大セッション数といった能力値において、同価格帯の競合製品を凌ぐ製品を提供し続けてきた。新製品のIX-R2530は、10GbEを2系統、1GbEを1系統(4ポート)というコンパクトな構成とすることで、高コスパを実現したという。
性能は、IP転送性能が10Gbps、VPN時の暗号化性能が3.5Gbps。IPsec対地数は256対地、NAPTセッション数は25万となっている。出荷時には対応していないが、今後のアップデートによってゼロタッチプロビジョニング機能も追加する予定だ。
IX-R2530の主な特徴
特徴はそれだけではない。「アーキテクチャを一新した」(同氏)点にも注目だ。高速・低遅延通信が可能な5Gをはじめ通信サービスは日々進化しており、「その高速・低遅延性をより活用できるように、CPU・メモリといった主要構成部品とベースOSを一新した」(古賀氏)。
また、ファンの自動制御により静音性も向上し、通常時は35dB以下に抑える。35dB以下とは図書館の館内レベルの静けさであり、オフィス内においても音はまったく気にならないはずだ。
こうした特徴を持つIX-Rだが、IXシリーズのコマンド体系・主要機能は継承している。これまでIXルーターを利用してきた担当者なら、リプレース時にもスムーズに扱えるはずだ。