米Fortinet 取締役会会長 兼 CEOのケン・ジー氏によれば、現在のサイバーセキュリティ市場には3つのトレンドが見られるという。
1つが、「ネットワークとセキュリティの融合(コンバージェンス)」だ。2030年までに、セキュリティ製品の市場規模がネットワーク製品のそれを上回るとするガートナーの予測を紹介したうえで、両者の融合が加速すると指摘した。
米Fortinet 創業者で取締役会会長 兼 CEOのケン・ジー氏(左)と、
フォーティネットジャパン 社長執行役員の与沢和紀氏
2つめは「セキュリティオペレーションの統合」である。各種セキュリティ製品の運用が複雑化するなか、これを統合することで、検知とレスポンスのスピードを速める必要がある。
そして、3つめに挙げたのが「セキュリティサービスが消費型になっていく」ことだ。MSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)によって提供されるサービスの利用が加速すると予測した。
「シングルOS」と「独自ASIC」が戦略の柱に
こうしたトレンドに適合する製品/サービスを開発するうえで、フォーティネットが重視するポイントは何か。ケン・ジー氏がまず挙げたのが「シングルOS」だ。
すべての製品・サービスを1つの「FortiOS」で実現する
現在、サイバー攻撃から防御すべきポイントがデバイスからエッジ、ネットワーク、クラウドと様々な場所に広がっている。そこで、「目的ごとに異なるポイントソリューションやソフトウェアを使うよりは、1つのOSを使ってクラウドもサーバーもデバイスもあらゆるところでセキュリティを担保するほうが効率がよい」と同氏は話した。
そのOSが「FortiOS」である。グローバルでも国内でも高いシェアを誇るファイアウォールはもちろん、SD-WAN、有線・無線LAN、そしてSASEまで、フォーティネットのソリューションはすべてFortiOSで実現されており、これによってネットワークとセキュリティの融合やオペレーションの統合等を進めていくとした。
独自開発ASIC「FortiSOC」は世代を重ねるごとにサポートするアプリケーションを拡充してきている
もう1つのポイントがハードウェア性能の追求だ。FortiOSに多様なセキュリティ機能を実装するのと並行して、アプライアンス製品でその機能を存分に活かせるようにするため、独自開発したASICによって処理の高速化と省エネ化を推し進めている。