東京都は2023年11月21日、伊豆諸島の利島および伊豆諸島で運航する大型客船で、米スペースXが提供する低軌道衛星インターネットサービス「Starlink」による実証試験を行うと発表した。
実証試験が行われるのは、伊豆諸島の1つである利島と、東京・竹芝と伊豆諸島間で運航する大型客船。利島では、島内の清掃センター周辺(観光ルート「利島まんきつコース」上)で、2023年11月30日から2024年11月29日まで検証が行われる予定だ。
利島におけるStarlinkによる検証場所
客船は東海汽船が運航するさるびあ丸と橘丸の2つで試験を行う。ともに船内レストランと案内所でStarlinkが使用できる。さるびあ丸は2023年11月27日夜行便から2024年12月27日日中便まで、橘丸は2023年12月中旬から2024年12月27日日中便まで試験を行う予定。
Starlinkの実証が行われる客船・さるびあ丸と衛星送受信アンテナ
なお、基準となる海岸線(基線)から海側へ12海里(約22km)を超える公海上では電波法上の規制によりStarlinkが使用できないため、客船において竹芝から三宅島、御蔵島から八丈島の航路途中で通信が行えないことがあるという。
実証実験を行う大型船舶の航路
都はこの取り組みによって、島しょ地域や海上船舶において、年間を通じた気象条件等による衛星通信の通信速度及び通信負荷等を検証するほか、旅行者や船舶乗船者等にWi-Fiを提供し、アンケート等により有効性を確認するとしている。
この実証試験は、東京都による、4G・5GやWi-Fi、衛星通信など様々な通信手段を適材適所で活用し、多様なアプローチにより都内全域で、いつでも・誰でも・どこでも・何があっても「つながる東京」の実現に向けた取り組みの1つだ。都は、今年9月には山間地でのStarlinkを用いた実証実験を開始している(参考記事:東京都、奥多摩のキャンプ場で「Starlink」による実証実験|BUSINESS NETWORK)。