進化するオフィスの「電話」 AI連携で業務効率化や営業力向上

働く場所の多様化に合わせて、オフィス電話のクラウド移行が本格化している。そのメリットは、どこでも電話応対が可能になるだけではない。AI活用により、業務効率化や営業力向上を実現することも可能だ。

ここ数年、コロナ禍によるリモートワークの浸透とともに、オフィスの固定電話の見直しが進んできた。

会社の代表番号にかかってきた電話をスマートフォンやPCでどこからでも受けられるようにするため、クラウドPBXへの移行が加速。一部でオフィスへの回帰が始まった今も、その流れは続いている。

NTT東日本 ビジネス開発本部 クラウド&ネットワークビジネス部 コミュニケーションサービス担当の鈴木彰太氏は「コロナ禍で働き方改革に伴う通信環境の刷新が進み、クラウドPBXを含むクラウド音声ソリューションの売上は、以前と比べて飛躍的に伸びた。いったん他社のクラウドPBXを導入したものの、品質などへの不満から乗り換えてくるケースもある」と話す。

KDDIもクラウドPBXが好調だ。

同社ソリューション事業本部 ソリューション推進本部 ネットワークサービス推進部 ボイス&ビデオコミュニケーション企画グループリーダーの武藤俊之氏によると、「2年ほど前からクラウドPBXの引き合いが非常に増えており、その傾向が続いている」という。

武藤氏は、10年以上にわたって法人向け音声サービスの企画を担当してきた。「大規模災害やパンデミックが起きたとき、リモートワークに移行しクラウドPBXを導入するのは、これまで先進的な企業に限られてきた。コロナ禍では、それ以外の企業も含めてクラウド移行が一気に広がった」と実感している。

クラウドPBXへの移行が本格化している背景の1つとして武藤氏が挙げるのが、クラウド型のWeb会議やチャットサービスの浸透だ。

コロナ禍のリモートワークでは、従業員の働く場所が自宅やサテライトオフィスなど多様化したことで、コミュニケーション不足の課題が顕在化。その解決策として、Web会議やチャットなどクラウドベースのコミュニケーションツールが急速に普及した。「5~6年前はまだクラウドへの抵抗感があったが、こうしたクラウド型コミュニケーションツールの普及によって抵抗感は払拭され、電話のクラウド化も後押ししている」という。

図表1 「Cloud Calling for Microsoft Teams」のサービスイメージ

図表1 「Cloud Calling for Microsoft Teams」のサービスイメージ

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