NECは2023年6月6日、ミクロネシア連邦、キリバス、ナウルの太平洋島嶼3国の企業と、光海底ケーブル敷設プロジェクトのシステム供給契約を締結したと発表した。
プロジェクトは「East Micronesia Cable System (EMCS)」。総延長距離は約2250kmで、3か国の4島を接続する。この3か国をつなぐ光海底ケーブルは初めてだという。
光海底ケーブル「EMCS」のルート図
このケーブルはキリバスのタラワ島から、ナウル島、ミクロネシア連邦のコスラエ島を経由してポンペイ島へと敷設される。各国住民に高速、高品質、高信頼かつ安全なインターネット通信環境を提供し、これらの地域のデジタル化と経済発展に寄与することが期待される。
ミクロネシア連邦の海底ケーブル運営会社FSM Telecommunications Cable CorporationのCEOでありEMCSの運営委員会会長であるGordon Segal氏によると、コスラエ州は同国で唯一海底ケーブルに接続していない州であり、「ミクロネシア連邦の全4州における平等なデジタル接続環境を実現し、様々な情報や必要なサービスへのアクセス能力を大幅に向上します」とコメントを寄せている。また、ナウルの国営通信会社Nauru Fibre Cable Corporation CEO兼ナウル法務国境管理長官のJay Udit氏は、「本プロジェクトによってナウルに初めて海底ケーブルが敷設されることになり、将来の通信システムの生命線としてナウルに大きな利益をもたらします」と、高い期待を表明している。
この光海底ケーブル敷設は日本、米国、オーストラリアの各政府が連携して支援する「東部ミクロネシア海底ケーブル事業」に基づくプロジェクト。この3か国の資金提供により実施される。