CASOが「ワイヤレスジャパン×WTP 2023」で展開しているのが、香港Peplink社製のマルチSIMルーターだ。
複数のSIMカードが挿入でき、かつ同時に接続できることが特徴で、最上位機種の「MAX-HD4 MBX」では、同時に6回線が使用できる。SIMはMNO4社に加えてMVNOにも対応する。また、5G対応モデル「MAX-HD2-MBX 5G」では5G回線が同時に2回線使用可能だ。
Peplink社製マルチSIMルーター「MAX-HD4 MBX」
複数のキャリア回線をボンディング
複数のキャリアのSIMを利用することでバックアップとして使えるほか、回線をボンディングすることができるので通信速度の向上にも寄与するという(ボンディングには対応ルーターが2台以上必要)。さらに、パケットコピー技術により、使用するキャリアの1つの通信が不安定でも、他のキャリア回線にパケットをコピーして通信するため、安定した通信が維持できるということだ。
こうした機能を生かし、テレビ放送で遠隔地から中継する際の電波状況のチェックや、複数拠点からの生中継放送自体の回線に用いられているという。
スターリンクと組み合わせてどこでも高速通信
ブースにはスターリンクのアンテナも展示されていた。マルチSIMルーターでモバイル回線と衛星通信を同時に使用し、回線冗長化に利用するというユースケースの提案だ。
マルチSIMルーターとスターリンクのアンテナ
衛星回線とモバイル回線を組み合わせたユースケース例
説明員によれば、スターリンクはアンテナ周辺の障害物や天候により通信効率が低下したり、一度通信が途切れると回復に時間を要したりするという難点があるという。そこでモバイル回線でこれらの点をカバー。衛星回線の切断時にはモバイル回線に自動で切り替え、安定した通信を実現するという。
さらに、複数のスターリンク回線をボンディングすることも可能であるため、ほかに回線が用意できない海上などの環境でも高速通信の提供ができるという。